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修復ギフト持ちの貴族の息子でしたが追放されました  作者: ヒコしろう


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第108話 解放します

さて、カサール子爵様から我が家の敷地内での諸々に税金を取らないという約束をもらったので、ウチの商会として新たに作る中古品販売店は勿論の事、工房などで商品を作っても税金は要らないという言質も取ったので、これから色々作り放題である。


なので、バラッドさんの鍛冶工房で作る魔力供給魔道具や、ライト兄さんが作る魔道具なども我が家の敷地内にテイカーさんの店でも建てれば、今までグレーゾーンで直接取引をしたり、他の商会経由で卸売りしていたのを大きな顔で定価販売が出来るのだ。


『いやぁ、妄想が捗りますなぁ…』


とワクワクしながら、我が家の居間にて紙をテーブルに広げて大工担当のボンドさんに、


「ウチ敷地が今、こんな感じでしょ…」


と地図を描きながら、


「この新町の入り口から伸びる道から広がった壁の空き地の方に道を作って、将来的に店を何件か建てたいんだよね。 あと、僕の作業小屋周辺にまだまだある土地には工房を何件か…そうだ、ボンドさんの木工工房も作って、新町や本町の大工さんを下請けとしてテイカーさんの商会の建物を建てる時に雇えば、元請けとして払う税金は免除になるから…」


などと悪巧みをしていると、奥様チームの裁縫上手であるマチさんや元は夫婦で革細工工房をしていたリザさんが、


「それならば新町の奥様達と、服やカバンを作って、それを売りたいです」


と参加し、最近は料理人のダグさんと一緒に我が家のキッチンで僕が再現したがっているメニューの完成に向けて頑張ってくれている料理上手な奥様であるミントさんまで、


「私も工房で無くても構いませんので屋台を何台かお願いしたいです」


と言い出したのである。


それは何故かというと、新しく修復した雑貨を売るお店の店長さんをお願いした新町の噂好き奥様であるナタリーさんから、


「冒険者相手のお弁当とか、結構稼げるわよ…」


などと教えてもらったらしく、


「旦那様のレシピを商業ギルドに登録するだけでは勿体無いので、ナタリーさんの屋台みたいに私がダグさんと作った試作料理をギルド通り辺りで売ると、商人ギルドに払う場所代だけ払えば、あとの稼ぎで作った料理の材料費もまかなえてレシピ作りも捗りますので…」


と、時間停止のマジックバックの中の我が家の牧場の搾りたてミルクを使った試作クリームシチューなど、我が家の食卓で消費するのが間に合わないらしく次のレシピに取り掛かれなかったそうで、


「絶対に売れますから…」


と、お願いされたのでボンドさんに、


「屋台って作れます?」


と訪ねると、


「ブラウンハウンドのパトラッシュ一家の荷車を改造すれば今日にでもイケます」


と心強い返事をもらったので、早速取り掛かってもらい我が家はバタバタと忙しくなったのである。


そしてノリスさんとマイラさんの農園担当夫婦にも、


「何か、お願い事とかない?」


と聞くと、ノリスさんとマイラさん夫婦は、顔を見合せた後に僕に深々と頭を下げて、


「大変厚かましいお願いですが、国に帰る事をお許し願えませんでしょうか…」


と相談されたのである。


彼らのいう『国』とは獣人族の小国が点在する大陸の南側であり、商業ギルドの行う【遅いし高いが確実に届く】という郵便事業にて、夫婦が子供たちに無事を知らせた結果、嫁に出した娘から


『孫が生まれました』


という返事が来たらしく、


「まだ借金奴隷として返済も出来ておりませんが…どうしても孫の顔が…」


と、夫婦揃って頭を下げるので、


『まぁ、そうだよな…実際にお金を払って購入した奴隷でも無いから即日解放しようと思ってたけど皆が律儀に働いて返すって言ってくれた言葉に甘えてたよ…』


と、反省した僕は、


「今日か明日にはテイカーさん達も買い出しから帰って来ると思うから、皆が揃ってから詳しい事は決めるけど、二人とも旅の準備はしといてね…」


と告げると夫婦は、


「えっ、よろしいので…」


と不思議そうにするので、僕は、


「良いに決まってるよ…前から言ってるでしょ、家族だって…」


と言って母屋へと帰ったのであった。


という事で、僕としては、


『我が家の奴隷組を全員解放するのは決定したけど、皆が一斉に出て行ったらどうしよう…新町の方々を雇えば農園も牧場も回るけど…僕のハートが堪えれるかな…』


と、少し不安な夜を過ごし、翌朝予定通りにカサール子爵様が報告書類を終わらせたらしく、


「じぃじが来たゾー!」


と、幼子達と遊ぶ姿を横目で眺めながら、軽くタメ息を吐いていると、メリーさんに、


「お坊ちゃま、朝から辛気臭いタメ息など…」


と叱られてしまい、昔から色々と相談に乗ってくれていたメリーさんに、昨日から悩んでいる件を話すと彼女は、


「メリーは情けないです…」


とプンスカ怒りながら、テイカーさんの帰りも待たずに我が家の全員を召集しはじめ、カサール子爵様が、


「これは…邪魔かな?」


と、お付きの騎士と帰ろうとするのをメリーさんは、


「シルフちゃん達の将来にも関わりますので是非名付け親であるカサール子爵様も…」


と呼び止め、我が家の家族会議が始まったのである。


議題は、


【奴隷メンバーの解放と、今後について】


であり、議長であるメリーさんが、


「お坊ちゃまが皆さんを正式に解放される決断をされました」


と宣言すると居間の全員がザワザワとざわめき、奥様チームのリザさんが、


「解放という事は…旦那様…私たちはここを出ていかなければ…いけないのでしょうか…」


と、恐る恐る聞くと、プンスカモードのメリーさんが、


「どうなんです、お坊ちゃま!?」


と少し強火で僕に振ってくるのを、


『屋敷に居た時にもこんなに怒ったのはあまり無かったな…』


などと思いつつ、


「いや、ノリスさんとマイラさんのご夫婦が元居た国でお孫さんが生まれたから帰りたいと…だからノリスさん夫婦を解放して帰らせるなら皆も…って思っただけで、ずっとここに住んで構わない…というか家族として残って欲しいと勝手に思ってるんだけど、無理は言えないし…」


とウジウジしていると、ノリスさんが慌てながら、


「いえ、旦那様! 一回帰りたいとは言いましたが孫を見たら直ぐに戻りますよ…」


と僕に伝え、奥さんであるマイラさんも、


「畑のブドウの収穫が出来るまで育ったのに、ここから離れたくありません…旦那様!」


と懇願するので、僕は拍子抜けした様に、


「国で孫と暮らすんじゃ?」


と聞くと二人は、


「赤子を長旅させる訳にはいかないし、小さいうちに見たいのもあり旦那様に無理を承知でお願いしただけで…」


と、申し訳なさそうに話すと、何故かカサール子爵様が、


「分かる、分かるぞ!」


と騒ぎ、僕に、


「ジョン君、馬車を貸してやりなさい」


と、1日も早く孫が見れるようにと指示を出し、鍛冶工房の新米ママであるキミーさんが生まれながらに部長クラスの顔つきの貫禄しかないベイビーを抱っこしながら、


「ウチも来月タンカランから父が来る予定だから分かるけど、国の娘さんもきっと二人を心待ちにしてるよ」


と二人に声をかけ、新婚のライト兄さんは、


「赤ちゃんか…」


と、何やら妄想しながらイデアさんをチラチラ見ては頬を赤らめているので、多分妄想以外も膨らませている。


『いや、関係者より奴隷チームの意見を…』


などと思う僕に、カルセルからのメンバーから、


「旦那様、では特に変わりなしでよろしいですね」


と念を押され、僕は、


「そうですね…奴隷から解放したというだけになります…」


と伝えると、


「では今月から食費を納めたりしますね」


というボンドさん達に僕は半泣きで、


「ウチの商会の従業員枠として住居と食事は提供しますから…」


というと、子供冒険者チームを代表して最年長のアル君が、


「成人したボクは商会で働きますが、皆はどうしたら?」


と聞くので、


「皆さんは無条件でウチの子供になりますので、成りたい仕事に就いて下さい…あと、学校が出来たらサクッと卒業だけ出来る様にニルバ王国の歴史と地理はしっかり勉強する様に…」


と伝えると、カサール子爵様は三人のちびっ子達に、


「皆は将来、じぃじの所で働くから心配ないよ~」


などとよく分からない内定を出していたのであるが、シルフちゃんが、


「ダメ、カサールじぃじの為に長生き出来るお薬を作るの!」


と、自分は錬金術師を目指す宣言をしてカサール子爵様を、


「シルフちゃんは優しいのぅ…よし、お薬作りならエルバート殿の弟子になれる様にじぃじがお願いしてあげるぞ」


などと、泣かせてしまい、僕もライト兄さんも、


『いや、カサール様が頼まなくても…』


と弟子である身分から軽く呆れといる所に、テイカーさん達が帰宅し、


「あの…これは…」


と不安気に聞くのをメリーさんは、


「奴隷を解放となりましたので、あとは坊っちゃまからどうぞ」


と僕に丸投げし、


「ほら、考えるまでも無かったですよ…メリーは坊っちゃまにもっと自信を持っていただきたいのです…」


と最後にピシャリと言って居間から出ていったのであった。


『メリーさんなりに、僕がクソ親父の尻拭いとばかりに色々な厄介事を背負い込んでいたのを心配していたのだろう…』


と感じた僕は、これからはもっと自由に人生を楽しむ事に決めたのであった。



読んでいただき有り難うございます。


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頑張って書きますので応援よろしくお願いいたします。


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