表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

IFルート.桜の花びら、枯れ堕ちる


苦しい。


私は、多分悪役で…

あのこは…主人公ってよりも、女帝の方が似合ってるな。


私は聖女だけど、聖女としての力は開花しなかった。

事件が起きても、それはあのこの周りを渦巻いていて…


でも、私はこの国で、自分の役割を見つけた。

勇者の指南役、それが自分の役割だと思った。

伝説の、聖女の力は無かったけど、私は何故か、

転移魔術が誰よりも得意だった。他はダメだったけど。


あのこは…いや、女帝は、「桜魔法」を作ってくれた。

憐れみか、貶しているのか。

でも、皮肉にも私は何度も「桜魔法」に助けられた。


私の能力は、勇者の手助けと指導に適していた。

なのに…私が無能なせいで…

勇者は酷い時には3ヶ月に一回喚び出された。

私は、勇者を死地へ運んでは運んだ。


もしかしたら、相手が女帝じゃなくて…

そうだな、東の大魔獣とかだったなら、もっとッ…

もっとやりようあったのに…!

ラスボスが女帝とか…!!!

無理ゲーが過ぎんだよッ!!!!!

私は苛立って大きく地団駄を踏んだ。


王国も、とっくに自分たちはおかしくなってるのに!!

これじゃあ…どっちが悪者か分かんないよ…


試しに…いや、もう…これ以上犠牲が出る前に…!


私だって聖女なんだから!!やり遂げて見せる!!

きっと、大丈夫!皆の敵だって…撃てる…から…

足が小刻みに震えだす。

叫び出したくなるような、逃げ出したくなるような、

そんな恐ろしさを必死に抑えて、呪文を唱える。


あのこが作ったんじゃない。


私が作った、私だけの魔法。


「サクラテレポートっ!!!」

桜の花びらが舞うように、足元に魔方陣が出来ていく。

ふっ…と、転移してやってきたのは、

俗に言う魔王城ってところだろう。


ところがどっこい、魔王城はまさかのもぬけの殻。

「な、なんで!?なんで誰も居ないのッ!?!?」


いつもなら、魔王城には、金ピカの鎧ゴーレムがズラリと並んでいるのだが、一体たりとも居なくなっている。


ふと、玉座の裏を見ると、謎のスイッチがあった。

恐る恐る押してみると、隠し部屋があったらしく、

玉座の後ろに部屋のドアが出てきた。


隠し部屋にワクワクしつつ、ドアを開いてみる。

すると、中には、金銀財宝、宝の山があった。


「えっ、いいの!?ラスボス倒してないのに

バグで最後の宝箱開けられちゃったみたいな

気持ちなんだけど!!」


さくらは、散々ウロウロして、悩んだ挙げ句、

ダイヤモンドのような宝石を5つぐらいもらって帰った。

意外と強欲なのである!!


そうして、「さくら」は死んだことにして、

辺境の村でスローライフを送ることにしたのだった…



           ~END~


さくらが人気だったら、辺境の魔女としてちょっとした

有名人になるさくらの物語を書いても良いかもしれない…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ