レジスタンス
シナコが頭を下げた後にサザメの方を借りながらメガネをかけた男が一緒にあるいてくる。
「久しぶりだな。イツク。元気にしていたか?」
「会長。久しぶり」
会長のことは覚えている。俺に対して何度も親身にしてくれたからな。ま、平等にだけど。ただあの時助けてくれなかったことに関しては驚いたが。
「イツク。あの時は本当にすまなかった」
会長、もといスクレンは俺の前で土下座する。
「気にしてませんよ会長。理由があったんですよね」
「いや、あの時確かに私はお前を助けられた。だが異世界召喚という非現実的なことを受け入れられず私はその時呆然としていた。気づいた時にはもうお前は追放されていたんだ。だから私は君を王国に戻そうとしたがアキラに邪魔されてな」
そうだったのか。会長も俺のことを心配してくれていたのか。
「私の異能は秩序。私が決めたルールの中では私の前で異能を使うことはできない。後は正面の敵となぐりあいで決めるんだ。アキラだけならなんとかできたんだがセクヤ王に脅されてな。奴に従わなければクラスメイトと王国の民をころすと言われた。王国の民は正直どうなってもよかった。お前を喜んで追放していたらしいからな。だがクラスメイトに手を出すと言われたら私はいいなりになるしかなかった。本当にすまない」
スクレンは必死に頭を下げていたが別に俺は気にしていない。シナコと離れ離れになりアキラにいいようにされたのには腹が立ったが結局は王国から追放されなければマルセ達に会えなかったし自分の異能のことを知ることもなかった。だから結果的には良しなんだ。
「気にしていないとはいいませんが大丈夫だから顔をあげてくれ。会長。それにこれからあらためてくれればそれでいい」
「そうか。そう言ってくれると助かる。ところでナギサはどうした?一緒にはいないようだけど」
スクレンが言った後に廃墟の入り口から
「ナギサちゃんっていうのはこの子のことかしらぁ?」
入り口側から聞こえた声に俺たちが振り向くと急に誰かがきりかかってくる。
「な、なんでお前が俺たちに斬りかかるんだ。ナギサ!」
俺は大剣で斬りかかってきた女、ナギサに対して言うがナギサは黙々と俺に攻撃するだけだった。まるで誰かのいいなりになっているかのように攻撃してくる。
「どう?お仲間から攻撃されて嬉しい?レジスタンスの皆さん」
ピンクの髪が特徴的な女が俺たちに近づいてきて言うとスクレンが
「奴はオーキ教の三戦士の1人、ミリアネ・コガン!」




