クリムゾン・マルセ
俺は結界の中に入るとフードを被っていた人が
「あなたは、誰ですか?村の人じゃなさそうですが。まさか私を殺しに来てくれたんですか?」
フードを被っていた人はフードをとり俺に顔見せる。顔は火傷の跡がひどく髪型も短めで綺麗な赤色をしていた。
「綺麗だ」
「え、え?な、何がですか。急にお世辞を言うのはやめてください」
「いや、美しい髪の色をしているなと」
「お世辞は本当にやめてください。私など異能が使えなければ使えない女。呪いもちになってしまったいじょう私は本当に使えなくなったわけですわ。さぁ。早く殺すなら殺しなさい。私はもう生きることを諦めていますから。他人に迷惑をかけつづけ人を殺してしまうくらいなら自分が死んだ方がマシです」
マルセは両手を広げ、無防備になるが俺は近づいてただマルセの肩に手を当てる。
「な、」
「大丈夫。君の悪いものは俺がもらうよ」
俺はマルセに言うと俺が触れた部位から黒い何かが出てくる。
「な、なんですかこれ」
「これが君たちの言ってる呪いってやつの形みたい。これを俺なら無効化させて喰うことができる」
俺はマルセの肩から出た黒い何かを手でひろい、口の中に頬張る。
「ぐぅ!」
これは、まずいしそれに腹の中が燃えるように熱い。でもこれくらいはどうにかできる、気がする。それが、俺の異能、呪い喰いだ。
「だ、大丈夫ですか!」
マルセは俺に触れてから「あ」と言うが俺は
「もう大丈夫ですよ。あなたはもう誰かに触れても誰かを燃やすことはないし異能を使っても自身の皮膚が焼けたりもしない。俺があなたの呪いを喰いましたから」
「私の呪いを、食べた?なら」
マルセは片腕を前に出すと結界に向けて高火力の炎を放ち結界を壊す。結界を壊したあと自分の肌を見て肌が焼けていないのを確認すると
「やった、やったわ。私呪いがなくなった。これでみんなに迷惑をかけずにすむ。みんなの役に立てる!」
マルセは喜びながらクズシに近づく。
「クズシ!私呪いもちじゃなくなったの!彼の異能で私はまたみんなの役に立てるの!」
「ほ、ほんとうか!マルセ!君呪いが」
「うん!なくなった!私に触れても大丈夫!それに火傷の痕も治ったの!」
マルセは嬉しそうにクズシの手に触れながらいい、クズシはマルセに触れられ手が燃えていないことを嬉しく思う。
俺は腹をおさえながらゆっくりクズシに近づくとクズシが俺に頭を下げ
「コウタ。ありがとう。君のおかげで村の、期待の星が帰ってきた」
「期待の星だなんて照れるなぁ」
マルセは嬉しそうに頭をかきながら言った。