呪いもち 2
クズシはフードをかぶる人を指で指した後
「彼女の名はクリムゾン・マルセ。火の異能、それも爆炎の異能の使い手だ」
爆炎ってのは火の中で高火力ってところか?
「あれ?クズシってあの人の異能をなんで知ってるの?」
俺はクズシに対し疑問に思ったことを言うとクズシは
「いいところに気づいたね。コウタは異世界から来たんだよね」
「はい。最初に会った時に言った通りアーブルル王国で異世界召喚されたんだよ」
「それじゃまずは呪いもちの説明からしようか。呪いもちって言うのは異能を使うのに代償をはらわないと使えない異能を持つ人達。呪いもちには2つのパターンがあって1つは生まれた時から、もう1つは自分の異能を使っているある日呪いが発症し、呪いもちになる。この場合はその時になるまでわからないから厄介なパターンだね」
クズシは呪いもちについて説明してくれる。異能をもっている奴らも大変なんだな。俺もそうらしいが。
「マルセは昔、というか数年前まではアワレテ村1番の冒険者だったんだ。王国に出稼ぎにいき、アワレテ村にたまに里帰りしてくる。マルセは爆炎の異能で通り名で爆炎のマルセと呼ばれアワレテ村としてもまさに期待の星とまで呼ばれていたくらいさ」
クズシはマルセのことを説明している間はやたらとイラつくように説明していた。自分のことを不甲斐ないと思っているのかな?
「ある日俺たちが森で狩りをしていた時だ。マルセが急に苦しみ出して一緒に狩りをしていた村の住人が近づきマルセの体に触れた瞬間、そいつは一瞬で消し炭になった。そしてマルセの腕には火傷の跡があった。マルセは異能を使う時自分の皮膚が焼けるのと自分以外の何かに触れたら触れたものは燃えるんだ。それがマルセの呪い。自分でそう言っていた」
触れたものが焼けるか。それは確かに近づいたらあぶねぇな。でもなんだろう。なんでかわからないけど俺は彼女に近づいても大丈夫な気がする。
「ねぇクズシ」
「なんだ?コウタ。呪いもちについての説明とマルセのことはもう教えた」
「俺あの人に近くにいきたい」
俺はマルセの近くに行きたいと言うとクズシは
「い、今の説明聞いてたか?危ないんだぞ?死ぬんだぞ?わかっているのか?」
「大丈夫。大丈夫だから。それに死んだら自己責任でいいよ。だから頼む」
俺はクズシに頭を下げるとクズシは少し悩んだ後
「異能婆さんはこれを見通してコウタを?だが危険なのは確か」
「ごめんクズシ。いくね」
俺はマルセの前にある結界に触れると俺が触れた部分の結界がなぜか砕けた。