アーブルル王国
「俺はイツク・コウタといいます」
「イツク・コウタ。いい名前じゃねえか。なんでこんなとこに倒れてんだ?まさか回復薬がきれたとか?だがその手のあざとかは今の魔物、コウルフじゃつけられないしこの森にはゴブリンとかもいないはずだしな」
クズシはいろんなパターンを考えていると俺は
「実は俺、アーブルル王国に異世界から召喚された異世界人なんです」
自分のことを異世界人というのもなんかむず痒いけどクズシに言うとクズシは
「そうか。アーブルル王にオーキはとうとう異世界召喚しやがったか。これは本格的に戦争が始まりそうだな」
「せ、戦争?」
この世界はそんな物騒なことが起きようとしているのか?魔族から世界を救うために召喚された、とかではないんだな。ま、俺は捨てられたが
「なんにせよこんなところでにいちゃんを置いておくには・・・。アーブルル王国に戻るか?にいちゃん」
「コウタで構いませんよ。俺は王国に捨てられたので戻ってもそんな」
「捨てられた?それはまたなんで」
俺は異能がないらしく無能という理由で捨てられたことをクズシに言うとクズシは
「そうか。確かにアーブルル王国は異能重視の国だからな。それで捨てられるのはわかる。なら俺たちの村に来ないか?」
クズシの住んでる村か。他に行くあてもないし、それに助けてもらった恩義も返してない。これ以上世話になるのもしのびないが今はお世話になっておこう。それでこの世界をもう少し知ってから俺に役立てることで役に立とう。
俺はクズシの提案を受け入れクズシの住んでる村の世話になることにした。俺がアキラに放置された場所から数時間歩いたところにクズシの住んでる村はあった。小さな村だがみな楽しそうに暮らしていた。
「ここが俺の住んでる村、アワレテ村だ。しばらくはうちのやっかいになるといい。仕事とかはおいおい頼むからまずは住むことになれるといい」
「何から何まですまない」
俺はクズシに頭を下げるとクズシは
「あ、村長に話に行く前に異能婆さんのとこに行くか」
「異能婆さん?」
「そうそう。コウタは王に異能がないと言われたらしいがあの王は信用できない点もあるからな。俺がついてって直接異能婆さんに聞いてみたほうがいい。異能婆さんも人の異能を見る異能だから。ちなみに多分アーブルル王よりもレベルの高い感じさ。少ないうちの村の自慢だよ」
そんなすごい人がこの村に入るのか。なら期待してもいいかな。無能だなんて言われてショックだったがまだ異能がある可能性はあるかもしれないからな。