アルカナとヘブルス
コウタをもとの場所に送り届けた後、時の神になったヘブルスはとある場所に訪れていた。
「気分はどうかな?アルカナ」
「......気分はどうかって?最悪よ」
アルカナは死んではいなかった。ヘブルスはアルカナを時の空間的な場所にとばしそこに生きてとらえていた。
「しかし驚きましたよ。流石に私はあなたが死ぬと思っていたので魂だけでもここに捉えておこうと思っていたのですが」
「魂だけとらえる?そんなバカなことができると?物理的にも無理だろうに」
「そうですね。物理的には無理だと思いますよ。でもこの空間ならそれは関係ありません。あなたが私よりも強かろうと。この時の空間なら私に勝てるものはいませんから」
ヘブルスはアルカナに言うとアルカナは
「そうですか。ならこのままでいますよ。ま、このまま死ぬのならそれだけの女だったって話です。ですが魔王の娘としてはこのように朽ち果てて死ぬのは残念だと思うわ。メキサとコムルクスにも顔向けできないわね」
「おや。部下のメンツとか考えていたんですね。意外です」
ヘブルスはアルカナに言うとアルカナは
「あの二人は別よ。私のことを信頼してくれたし、私もあの二人を信頼していたわ。魔王にしばらくついていてって命令も嫌がってはいたけどなんだかんだ聞いてくれたしね」
「あの二人が大事ならことをおかさずに静かに三人でどこかで暮らしていればよかったんじゃないですか?」
ヘブルスがアルカナを睨みながら言うとアルカナは軽く笑い
「それは無理ね。私はともかくコムルクスのやつが耐えきれなかったろうし。コムルクスは生粋の貴族嫌いだから貴族の生きている世界じゃ必ず何かしらのアクシデントを起こしたわ。メキサはまぁ我慢はできたとは思うけど生きづらくて彼女から笑顔は消えたでしょうね。私にはそんな二人と生きるなんてとてもとても」
やれやれ顔でアルカナは言った後ヘブルスは
「......私にはまだやることがあります。あなたにはどんな理由があろうともあれだけのことをしたんですからこれくらいの罰は受けて当たり前と思ってください」
「そうね。私にとってはこんなもの罰ではなくただの暇つぶしになるわ。どうせ死ぬんだから最後くらいわぼけっーとしてるわ。メキサ、コムルクス。あなた達に報いれずにごめんなさい」
アルカナは上の方を見ながら言った後ヘブルスは時の空間から消える。アルカナはこうして死ぬまではずっとこの時の空間で拘束され、しばらくすると笑いながら息絶えた。




