VSアルカナ 2
「こんな、小細工を」
「そりゃ小細工はするさ。確かにお前とまともにやりあえるのは俺だけだけど罠を張り巡らせるならセフスやマリネットの方がかなりできるからね」
俺は一人で戦ってるわけじゃない。みんなと戦ってるんだ。正面からできんのは俺だけかもしれないけどあの状況なら逆にこうして戦うことができる。アルカナはもう時とばしで移動もできない。どこに切断糸が張ってあるかもわからないからだ。
「まさか、私の時とばしをこれで封じるなんて。でも私がコウタさんをぶっ飛ばせば死ぬのは」
「それはできないよ。なぜならスルカの異能で俺とアルカナの位置を入れ替えて俺が攻撃をくらった瞬間、俺とアルカナのいる位置がかわるから」
俺はアルカナに言うとアルカナはあせりだし
「バカな。こんなことあっていいはずがない。私は魔王である父を殺した魔王の娘よ?それがこんな罠の塊に怯えながら動きを封じられるなんて。こんな、こんなバカなことが」
「あるんだよアルカナ。いい加減認めろ。お前の力は確かに強大だ。だが一人でやることには限界がある。お前はもう俺たちに負けたんだよ」
「まだだ。まだだまだだまだだ!まだ手はあるはず!私はたくさんの異能をコピーし、奪ってきた!その私がこんな簡単にやられてたまるか!」
アルカナは見苦しくもわめき続ける。こいつが仲間だったときはこんな見苦しいところ見たことはなかったがやはりこいつもけっこうてづまりなところまできているらしい。
「私は、私はこんなところで死ぬわけには」
「だめです。あなたは罪を償うべき。そしてそれはもう死ぬことでしか償えない」
俺の真横に急にヘブルスが現れて言う。こいつどうやってあの罠を
「私の異能、時とばしは呪い喰いにより強化され結果だけを残すこともできるようになりました。過程など必要なくです。ですがこれを使えば体に相当負荷がかかります。おかげで私は立っているのもやっとです」
ヘブルスは俺たちに言った後、そのまま地面に倒れる。何しにきたんだこいつは。
「バカなやつね。こんなところで倒れるなんて無様。滑稽。本当に無様」
「そう、ね。私はこの、ままじゃ、無様、ね。でも、私は、私のやるべきことをするために、きた」
ヘブルスは顔だけ出してアルカナに言った後、手を前に出すとアルカナとともに俺の前から消える。
な、なんだ!?二人はどこに。それにここはどこだ?
「ここは私の作った空間です。コウタさん。聞こえますか?」
「この声はヘブルスか?どこに行ったんだお前」
「私はもうこの世にはいません。そしてアルカナも。私は今存在が人間の理からはずれたからこうしてコウタさんと話せています」
ヘブルス?らしき奴が俺に喋りかけるようにいうとうっすらとだがやつの姿が俺の前に現れた。




