ヘブルスの異能
「もうそこまで回復しましたか。ま、キヅラがいればそうなることも想定していましたがいやはやまさかもうヘブルスを使うとは。わかりました。なら私も全力であなた達を殺しましょう。より良き魔族の世界の為。そして死んでいったメキサ、コムルクスの為にも」
アルカナは糸で剣を作るとヘブルスに向けて攻撃する。ヘブルスは自分の異能を使ってなんとか避けていたがあれではやられてしまうのも時間の問題。だから
「悪いがヘブルスはやらせない」
俺はスルカの異能を使って俺とヘブルスの位置を入れ替え、アルカナの攻撃を避けた後、アルカナの体に貫通糸を放ったがアルカナはすぐに俺の背後にまわり
「悪いけどそれは残像です。時とばしの異能を応用したね。私はヘブルスとは違い時とばしを無限に使えるんですよ。あくまで私のは劣化版ですから」
だろうな。俺も呪い喰いでみんなの異能を使っていたからこそわかる。だからな
「お前は俺にしか倒せない。違うか?」
「ふふ。よくわかっているじゃないですか。確かにマルセ達の異能一つ一つであれば彼女達にも勝機はあります。でも私はみなさんの異能を複合してつかえるしそれに」
アルカナは俺の目の前にまた移動してきたかと思うと
「私には呪い喰いで得た異能以外にも使えるものがある。私の能力は強奪とコピー。そして私は長年、生きてはいなかったけど魂だけでひょうひょうとしている間につかえる異能も取り込んでいた。これもその一つ」
アルカナは俺の腹部に軽く蹴りをいれると俺の腹部からかなりの激痛がはしる。
「この異能は連撃って異能でな。軽く触れただけで何発分かの攻撃をあびせることができるんだ。どうかな?連撃のあじは」
今のはけっこう、痛かった。まさかあんな異能まで使えるとは。
「なかなか、いいもん、もってる、じゃないか」
「そうでしょそうでしょ。私、異能を集めるの好きだったのよ。強奪とコピー。この能力は私に魔王になれと魔族の神がおそらく天啓をもたらしてくれたもの。だから私はこの力で世界を支配するわ!」
俺の腹部に蹴りをいれた後、今度は俺に糸の剣で俺を斬ろうとしたが俺がいた場所にはなぜかアルカナがいて位置が入れ替わっていた。なんだ?スルカが位置の入れ替えをしたのか?
「私の、時とばし、自分以外にも、使えるんです、よ。ごふっ!」
ヘブルスは地面に倒れながら俺とアルカナに言う。あいつ、無茶しやがって。でも助かった。
「感謝するぜヘブルス。お前のおかげで命拾いした」
「まさかヘブルスの異能がそういうかたちになるとは。これは予想外だわ」




