迫りくる刺客
「条件付きで渡してあげる」
俺はアルカナに言うとアルカナは「なんなりと」と言った後に俺の前でしゃがみ込む。
「この異能は本当に緊急時にしか使わないこと、そしてこの異能で助けられないような奴なら助けないこと。わかった?」
「わかりました主人様。寛大な処置ありがとうございます」
俺はアルカナの頭に手を当てると俺の中から何か、これが異能かな?と思うものがアルカナに流れていく。感覚的にそんな感じね。
「ありがとうございます。後主人様。私から相談があります。マーベラス・キヅラを仲間にしませんか?」
キヅラか。確かにあいつの異能は使える。それに熟練の冒険者っぽいし仲間にするには申し分ない。
「そうだな。確かに彼女は戦力として申し分ない。だがその前に2人に相談だ」
俺はマルセとチウルスにキヅラのことを説明する。生命力操作の異能のこと、そして呪いもちのマーベラス・キヅラという人を助けたことを
「そうですか。それでコウタさんはそのキヅラさんという人を仲間にしようというのですね?」
「ああ。彼女なら生命力操作の異能を今ならうまく使えるはず。彼女の呪いを喰ったからね」
俺はマルセに言うとチウルスが俺に
「コウタにいちゃんはキヅラという人仲間に入れたい?」
「ああ。仲間にしたい。でもお前たち2人が嫌ならやめておく。どうする?」
「チウはコウタにいちゃんの思うようにしたらいいと思うの。チウはコウタにいちゃんが信用した人なら大丈夫だと思うの!」
チウルスは俺に抱きつきながら言った後にマルセが「はぁ」と軽く笑いながらため息をつき
「チウルスちゃんにそう言われちゃ私もダメとは言えませんよ。それに私もチウルスちゃんと同じ意見です。コウタさんが大丈夫と思う人なら大丈夫です」
「2人ともありがとう。それじゃ冒険者ギルドに」
俺は2人に言った後宿屋の扉が勢いよくひらき
「僕が来ましたよ!」
勢いよく扉を開けたのはテンノスケだった。テンノスケはどうやら意外と元気らしい。よかった。
「テンノスケ。無事でよかった」
「それに関しては助かった。マイベストフレンド!それよりも大変だ!冒険者ギルドに帝国軍人?とやらが来てベストフレンドのことを探しているらしい!」
冒険者ギルドで帝国軍人が俺を探している?何でだ?ビルンス村のことはバレていないはず。
「ベストフレンド!早く行かないと冒険者ギルドが大変になるらしい!ベストフレンド!早く行こう」
俺はテンノスケに急かされてゆっくりとだが歩いて宿屋から出て冒険者ギルドに向かった




