アクシル
「この程度で弱音を吐くようなアクシルじゃないのさ!」
ドスを連発してくるアクシルに対し、俺は一旦切断糸を引っ込めてやつから距離をとる。
「そうか。なら俺も少しは本気を出してやるよ。嘘つき野郎」
「嘘つき野郎とは酷いことを言うね。俺は正直に言っているだけって言っているのに。ボルドジーニのことは認めていたよ。ただ存在での方だけどな」
アクシルは俺に言った後また俺にドスを当てようとするが俺はアクシルの攻撃をまた避ける。
「おいおい。強すぎだろ。アルカナさんも俺にこんな相手を足止めしろとかシビアなこと言うねぇ」
「そうだな。お前如きじゃ俺を止めるのは難しいだろうな!」
俺は今度は異能を使わずに剣でアクシルに斬りかかるがアクシルは俺の攻撃を全てうけとめる。
「な、」
「おや?急に動きが遅くなったね。どうしたのかな?」
確かにさっきより体が、というかドスに受け止められるたびに剣が重くなっていくような。
「おいおい。こんなんじゃ全然シビアじゃないぜ。楽勝になるぜぇ」
「なんだ、この能力。お前嘘をついているんじゃ」
アクシルがニヤリと笑った瞬間俺の手にドスを軽くふるう。そこまで深くはないがなかなかにいいかんじにきられたな。
「俺は嘘をつくように生きるアクシル。俺が言った嘘が誰かには本当に嘘として通じる。これは俺に神様が与えてくれた才能的なやつさ。異能とは違うもんだ。そして俺の能力は触れた分だけ対象を重くする能力。それが俺の能力さ」
こいつは確かに息をするように嘘をつくのは本当だ。能力も嘘かもしれない。だが俺には、攻撃を受けとめて体験した俺にはわかる。能力に関しては嘘はついていない。
「ほんと、この世界はシビアだよねぇ。俺みたいな価値のある人間はゴミ溜めに生まれただけでゴミのように扱われる。特に貴族という偉いだけで無能な奴らよりアルカナさんが支配する世界の方が全然いい。この世界は選ばれた魔族、人間が生きるべきなんだ。だからあの人のために死んでくれ」
アクシルはまた俺に攻撃をするが俺はアクシルの攻撃を避け、体に剣を刺そうとすると
「酷いねぇ。弱い俺にそんなことをしようっていうのか?本当にひどいやつだ」
「嘘つけ。お前は十分強いだろうが」
「強い?確かに強いかもな。でもお前よりは弱い。これは本当か嘘か。さぁ判断してみるといい。ただ考えるよりはただ体動かすだけの方がやりやすいとは思うぜ」
確かにこいつに頭を使うのはきつい。考えている間に攻撃を当てられたら体が重くなるからな。今はすこし回復したからなんとかなるが。




