帝国の入り口にて
ボルドジーニを始末した後大した魔物は俺たちを襲ってこず、順調に帝国にまで進む。帝国の入り口に着くとそこにはコロックが立っていた。
「やっときたのか。待ち侘びたぜ」
「待たせて悪かったな。コロック」
帝国の入り口で待っていたコロックは俺たちに近づいてくる。
「お前がここにいるってことは最後の呪いもちは確保できたのか?」
「無論だ。今は帝王に預けてある。帝国で一番安全な場所といえばあそこだからな」
コロックは俺たちに言った後移動しようとすると入り口付近から俺たちがくるのを待っていたかのようにゆっくりと金髪が特徴の男が近づいてくる。
「なるほど。アルカナさんが探してるのに見つからないって言っていたのも納得がいく。こりゃシビアだね」
「いきなり誰だお前は」
コロックは金髪の男に言うと男は
「俺の名はアクシル。アルカナさんの配下ってとこだな。お前らがいるってことはボルドジーニはやられたってことか?」
アクシルと名乗った金髪の男は言うと俺は糸を構え
「おいおい。そう構えるなよ。俺はひ弱な男だぜ。そんな俺に手を出すのかい?」
ひ弱?どこがだ?やつの体は筋肉粒々だが?
「コウタさん。そいつの言う通りですよ。そんなひ弱なやつにマリネットの糸を使う必要なんて」
マルセが俺に近づいてきて言う。マルセ?お前は何を言って
俺がマルセの方を向いた瞬間アクシルは俺に急接近し、殴りにかかる。
「なっ!」
「俺は弱くてシビアな状況には強いアクシルだぜ?俺の能力は敵の油断を誘うもんさ。弱い能力だけどな!」
アクシルは腰に装備していたドスを抜くと俺にそのまま刺そうとする。
「ボルドジーニのことは認めていたのにこんなに強いやつに負けたなんていいやつだなぁ」
アクシルの言葉に何か違和感を覚える。ボルドジーニのことを認めていたとかいうわりには雑魚みたいな視線でいるし、俺のこと強いとかいうわりには弱いやつを見るような目だ。
「お前の言っていることあべこべに聞こえて聞いていて気分が悪いんだが」
「あべこべねぇ。そりゃシビアに酷いね。俺はただ事実を言っているだけだし、ボルドジーニのことは認めていたさ」
「そんなことを言うわりにはボルドジーニの話をする時全然悲しい顔とかしてないよな?逆に嬉しそうな顔だ」
俺はアクシルのドスを避けた後、アクシルにマリネットの異能、糸の切断糸を首に向けると
「これはこれは俺みたいな弱いやつにこんな強い異能を使うなんて実にシビアだね。でもな」
アクシルはまたドスで俺に向かって襲いかかってきた。




