魔王の娘
「私はあなたのたちの異能が使えるんです。それに異能合成も」
俺の前に手を出しているアルカナの手が黒く変化していく。あの腕も人間に寄せていただけだったのか。
アルカナは手の先なら何かを出そうとしたが何かを出す前に俺の前に出していた腕が爆ぜる。
「っ!」
「我が娘よ。なんでも、思う通りには、いくとは、思わないことだ」
スペルタクスは体に穴が空いた状態でアルカナの手を能力で吹き飛ばしたらしい。
「私の親ですから楽に殺してあげようと私なりに気を遣ったつもりでしたがそんなに抵抗するなら早く楽にしてあげますよ」
アルカナはゆっくり倒れているスペルタクスに近づいていくとスペルタクスに近づく前にチウルスとキヅラがアルカナの前にたつ。
「どいてください。あなた達は殺したくありません」
「魔王の娘とやらが何言ってるの!チウはアルカナのこと信じていたのに!コウタ兄ちゃんをいじめたから許さないの!」
「殺したくないって?よくいうよ。こっちはコウタさんがいなければどうせ死んでいた身だ。コウタさんを殺すなら先に私を殺しなよ」
やめろ。二人じゃアルカナには
「人間、こっちに、こい」
スペルタクスが俺の方を向きながら小声で俺に言う。ギリギリだがききとることができた俺はゆっくりスペルタクスに近づく。
「魔王」
「ふ、ふん。我はもう、じきにくたば、る。だが、ただでは、くたばらん。我の力を、貴様にくれてやる」
俺に能力をくれるだと?しかしなぜ俺なんだ?俺のような無能に力を渡す理由など
「コウタ。長いつきあいだったか教えてあげる。そいつの能力を」
「黙っていろ。バカ娘、が。貴様に、渡す理由を、話している、時間は、もうないん、だ。だからはやく、受け取れ」
スペルタクスは俺の前に手を出し、俺はスペルタクスの前に手を出すと、スペルタクスは俺の中に入り込むように消えてゆく。
「やられたわね。まさか、もと魔王がコウタに能力を託すなんて。予想外だったわ」
アルカナはスペルタクスがいた方を見ながら言うとコムルクスとメキサを自分のもとまで手招きし
「あらためて私が新たな魔王アルカナ。もと魔王のように国などつくらず侵攻し人間を滅ぼす。それを覚えておきなさい」
アルカナは名乗りを上げた後何かの能力で俺たちを城の外に出す。
「大変なことになったな。どうしたものか」
アルカナが裏切ってショックだったし異能が無くなった、いやないとわかった時体に力が入らなくなっていたのに魔王が俺に何かをたくしてから自信しか溢れてこない。何なんだこれは?




