魔王とは 2
もう、帰ってこれない、か。みんな、死んでいくわけだ。ならば
「シナコだけは必ず取り戻す。返してもらおうか」
「ああ。彼女の安全は保証してやろう。とりかえしたいなら我を殺すといい。できればの話だがな!」
スペルタクスはきりとばした腕を再生させると俺に攻撃してくる。俺はスペルタクスの攻撃を避け貫通糸でスペルタクスの体を貫通させマルセの異能を使い体の内部から爆発させた。
「これなら死んだろう」
「く、くく!ははは!この程度で魔王を取れると本気で思っているのか?くく!羨ましい脳みそをしている。この魔王スペルタクス。そう簡単にやられると思ってもらっては困る。我は強いから魔王として君臨しているのだ!」
スペルタクスは俺に向かって叫んだ後爆発し、バラバラになったはずの体が再生していく。
「再生していくなら再生する前に体をバラバラにしてやれば」
「甘い。本当に甘い。お前は本当に実に甘い。甘すぎて何度も甘いと言ってしまうくらいだ」
スペルタクスは俺に言った後瞬時に体を再生させる。な、さっきまでと再生の速度が違いすぎ
「貴様は実にわかりやすいな。こうもあっさり我の策にかかるとは。いや想像できないか。再生の速度が速くなるなど。まぁ我のような存在になればこの程度造作もない。あまり魔王をなめないことだ」
魔王スペルタクスは俺に言った後、俺の体を鋭利な爪でひっかく。攻撃をくらう前に糸を体にぐるぐる巻きにしていたおかげで致命傷にまではいたらなかったがそれなりに深い傷だ。
「ほう。少しは褒めてやろう。多少の備えをしていたことをな」
「あ、たり前だ。魔王に挑むんだ。最低限は、しておくさ」
「ふむ。そうか。最低限の備えはしておくか。だが貴様ら人間ごときで我の最低限を舐めてもらってはこまる」
スペルタクスは俺を嘲るように言うと俺の体に急に激痛がはしる。
な、何だこの痛みは。さっき攻撃を受けた傷が
「我からの攻撃をくらった時点で貴様らの最低限とやらはもう我にはつうじん。我に対する最低限は我の攻撃を当たらないことだからな」
「なん、だ。これ。体がいた、い」
「我のお気に入りの能力の一つでな。どれだけ傷が浅かろうと我からの攻撃を受ければそいつに対し死なないが死ぬぐらいの痛みを与えることはできる。要は精神攻撃ってやつさ。あまり我をなめてかかるな人間。あの二人を始末したらじっくり相手をしてやるからしばらくはお仕置きで寝ていろ」
魔王は、こんな、こんな強いのか。攻撃をくらえばこんな激痛なんて、そんな。




