恐怖
ロマンドが俺に近づき手が触れようとした瞬間、なぜかロマンドは俺から距離をとり、離れる。
「な、な、なんで貴様がそいつを、貴様の中にそいつがいる!」
俺の中のやつ?アルカナのことか?ロマンドはアルカナを知っている?なぜだ?
「き、貴様そいつがどんなやつがわかっているのか!そ、それに共存しているなど、ありえん。ありえんありえん!」
「なんのことかは知らないが何を焦っている?」
「き、貴様はそいつがどれだけヤバいか気づいてないからそんなことが言え、そいつは」
ロマンドが慌てながら喋っているとアルカナが現れロマンドの背後をとる。
「主人様。こいつの言うことなど聞く必要はありません。私はこいつのことを知りませんから」
「バ、馬鹿なことをいうな!き、貴様は」
アルカナがロマンドの顔を掴むとロマンドから一気に生気が消える。
「あ、が、そんな、我輩の、欲が」
「お前の欲如き私に効かないですよ。ロマンド。ですがあなたがここまで成長しているのは驚きました。でも終わりです」
アルカナがおそらく使っているのはキヅラの異能。異能なのになんでまともに受けているんだ?それにアルカナが現れてから、ロマンドのやつは
「主人様。こいつの弱点はこれです。恐怖、ですよ。自分が勝てないとわかった時点でこいつの欲はとまるんです。こいつが何もかも諦めた時点で強欲の能力はとまるんです」
アルカナは冷静にいうと確かにロマンドはもう何もする気が起きないような顔で地面に倒れていた。
「は、はは。我輩は、お前が、いなければ、最強、いや、魔王もいなければ我輩、こそが、最強、なのに。我輩の欲が、強欲がとまる。我輩が力を求めているのに強欲は」
「無駄だとわかっていますよね。ロマンド。あなたの強欲は特殊なもの。つまりは物理的な力に対しては強化はされない。だが特殊なものならお前は確かに最強ね。特殊で物理最強になろうとお前自身が強いわけじゃないから。後」
「うる、さい。我輩は、我輩は」
「もうお前は喋らなくていいから」
アルカナは一気にやつの生気を吸いとり、奴はアルカナに言った言葉を最後に何も言わなくなった。
「アルカナ。お前は一体」
「私に関してはこの戦いが、魔王を殺したらお話します。それでは向かいましょう。主人様の友人を助けに」
アルカナが俺に言った後俺はチウルスに近寄り
「チウルス。大丈夫か?怪我とかは」
「チウは大丈夫なの。ただしばらくチウは異能を使えないの。あいつの、ロマンドの強欲のつららとかいう技のせいで空間を上手く保てないの。今もギリギリなところなの。だから早く転移するの!」
チウルスは俺に言った後、ロマンドの遺体を置いてもといた場所に転移した。




