爆炎の代償
「マルセ、なんで」
俺はなんとか立ち上がってマルセのいるところにまである程度近づくとマルセは叫ぶ。
「コウタさん!それ以上は近づかないで!コウタさんも火傷してしまいますよ。私はこいつが私の高火力の爆炎で焼け死ぬのを待ちますから。それに今だけですから。後からキヅラに治してもらえばいいんですよ」
マルセは地面に座り込んで言うと上半身と下半身の別れたボウシャルクが
「バカナ、コンナコトガ、ワレガ、ニンゲンノ、イノウゴトキニ。コンナコトガ」
「これが、私の異能の力よ。呪い喰いで私の呪いを喰ってもらったおかげで私の異能はかなり強くなったわ。異能世界も使える。これでお前ら魔族とまともにやりあえる、と考えていては甘い。異能世界が使えない場合は?それが通じなかった場合は?それも考え、異能を鍛え、この高爆炎を使えるようにしたわ。ただ代償はこうなるけどね」
マルセは高爆炎を放った腕を垂らしながら言うと
「ク、クックク。ソウ、カ。ソウカソウカ。ワレガ、マケタ、リユウモ、ヨク、ワカッタ。ソコマデ、カンガエテイルトハ、ニンゲンヲ、ナメスギテイタ。ワレノ、マケダ」
「ずいぶんあっさり認めるわね。急にどうしたの」
「ク、クックク!ワレトテ、ニンゲンデハナイガ、ソレナリニ、プライド、トヤラハ、アル。ココマデ、サレテ、ミットモナク、キエタクハナイサ」
ボウシャルクが話している間にボウシャルクの器だったベルゼートの体が消滅していく。
「ボウシャルク。お前、体が」
「ク、クックク。コレクライ、ワカッテイタコト。ワレノノウリョクヲツカウニ、ニンゲンノウツワハゼイジャクスギル。ワレガ、ショウメツトナレバ、ウツワモトウゼンショウメツスル。ソシテ、ワレトイウボウショクハ、キエルガ、キット、アラタナ、ボウショクガ、ウマレル。ク、クックク」
「何がおかしいの?あなたは死ぬというのに」
「ク、クックク!タノシメタカラ、ソレデイインダ。ワレノ、イキガイ、トイウノハ、ソレクライ、ダカラナ」
ベルゼートの体が消滅した後、マルセも地面に座り
「しばらく休ませてもらいますねコウタさん。片腕もこんなざまですから」
マルセが地面に座った後、俺たちの前に
「こんな弱りきった奴らを我輩が相手にするのは少々いやだがスペルタクスの命令ならば仕方あるまい」
急に現れた紫色の体をし両腕は赤く、爪の先は鋭利な魔族の男が現れる。
「な、お前一体どこから!」
「我輩は強欲。貴様らが知るのはそれだけでいい。どうせ死ぬのだからな」
強欲と名乗った紫色の体の魔族はマルセに向かって攻撃した。




