魔物と出会い
「僕はね。前々から君のこと殺したくて殺したくてどうしようもなかった。君という存在がいるせいで彼女、シナコちゃんが僕に振り向かないからだ」
シナコが自分にふりむかないから僕を殺す?なんだそれ。
「異世界に召喚されるまではどうしてやろうかとずーっと悩んでいた。僕はモテていたし世間体も大事にしたかったからさ。だが今回は王の命令だしそれに誰がやったかは黙っていてくれるらしいからな。おかげで僕は今までの鬱憤をはらせるよ」
アキラとアキラの取り巻きは俺に近づくと俺に殴りかかる。
「君を始末するのに僕の異能は見せない。僕の異能は選ばれし異能なんだ。君に見せるなんて勿体無い。だから集団リンチでボコボコにした後君はここに放置して魔物の餌にする。嬉しいだろ?この森には狼みたいな魔物って奴がいるらしいからな」
俺はアキラの取り巻きの攻撃をなんとか避け続ける。俺は正直運動は得意じゃないし帰宅部だからアキラの取り巻きの奴らは運動部ばかりだから避けられても数発ぐらいだったから数分後にはボコボコにされ動けなくなる。
「ふ、ぐぉ」
「いい様だ。君がシナコと関わらなければこんなことにはならずに済んだんだよ。身の程をわきまえろ。無能」
アキラは俺に吐き捨てて言った後に唾を吐いて取り巻きと共にどこかへ消える。
うぐ、お。うごけ、ない。ちくしょう。本当に魔物がこの森にいるなら、やば、い。
俺がなんとか動こうともがいている間に来てほしくなかった魔物が現れ俺に近づいてくる。狼のような魔物が俺にゆっくり近づいてきて俺は必死に逃げようとするが奴らの方がはやい。
異世界召喚されてこんな扱いをされて死ぬなんて、俺は、そんなのごめんだ!
無常にも狼の魔物が俺に噛みつこうとした時俺は目を瞑ったがいつまで経っても狼魔物の攻撃がこない。な、なんだ?まさかの焦らしなのか?
「にいちゃん。大丈夫か?」
俺は目を開けると俺の前に金髪のショートヘアーで片目に縦線の傷が入っているのが印象的な男が剣を肩に担いで立っていた。
「あ、あんた、は」
「待ってな。今こいつら倒してやっからよ」
男は剣で魔物を全て数分後に討伐した後に俺に近づき
「にいちゃんだいぶ傷負ってるけど誰にやられた?今討伐したコウルフどもの傷じゃねぇが」
今の魔物はコウルフというのか。小さかったからコウルフというのかそれはわからんがだが
「た、助けて、くれて、ありがとう。あんたは」
「俺か?俺はノラ・クズシ。ノラでもクズシでもなんでも呼んでくれ」
クズシは俺に名乗ると俺も自分の名を名乗った。