暴食
俺はセイバンを殺して奥の部屋に向かうと体が真っ赤で頭に角が3本生えた魔族らしきやつが立っていた。
「待っていたぞ。ヌシがイツク・コウタだな」
「いかにも俺はイツク・コウタだが。お前は誰だ?」
「ワレはベルゼート。暴食のベルゼート。ワレはヌシを喰らい強くなる。そのために強きヌシを待っていた」
真っ赤な体で頭に角を3本生やした魔族、ベルゼートが俺に名乗る。暴食のやつか。いよいよ七大大罪魔族ももう終わりだな。
「ワレを他の奴らと同じだと思うな。特に嫉妬と傲慢。あいつらはダメだな。魔王様もなぜあんな奴らを七大大罪魔族に入れたのかわからん。嫉妬の能力は嫉妬するほど嫉妬のやつの能力が増す。傲慢は傲慢である限り鋼鉄の肉体を保つことができる。しかしあいつらは自らの能力もいかせていなかった。だからヌシがくることはわかっていたし当然だと思っていた」
「それは俺のこと過小評価しているんじゃないか?俺はそこまで強くはないさ」
そうだ。俺はそこまで強くはないただお前らが俺より弱い。それだけだ。
「過小評価?違うな。ワレはそうは思わん。ヌシは強者。強者でなければここまではこれんさ」
「そんなのわからないぜ?俺が弱いお前らの仲間と当たり続けていたからかもよ」
「ク、クク!ハハハ!笑わせてくれる。実に面白いな。だがなぁ」
ベルゼートは手に持っていた武器、先端が刺だらけの棍棒みたいな武器で俺に向かって攻撃してくる。
「あまり謙虚なのは良くないなぁ。ワレは謙虚は好まん。強者は強者と自負せねば。そうせねばワレの矜持にはんする!」
「お前の矜持なんて知ったことか。ただ襲いかかってくるんであれば」
俺はベルゼートに近づき顔面を掴んで爆炎をくらわせる。
「俺は対処するだけだ。向かってくる敵をただ殺すだけ」
「クックク!その方が良い。実に良いぞ。楽しめるからな!」
俺に顔面を掴まれながらもやつは俺の腕を片腕で掴みもう片方の腕にもつ棍棒的な武器で俺に殴りかかる。
「やらせないよ」
俺はベルゼートのもつ武器を切断糸でバラバラにするとやつは攻撃を切り替えて俺の腹部を殴る。
「っつ!」
「クックク!いいぞ!やはり楽しめそうだ。ワレの暴食の能力、見せてやろう。ワレの能力、暴食は倒したやつの使っていた武器を貯蔵しておくこともできてなぁ」
ベルゼートは俺に言うと今度はヌンチャクのような武器を手のひらにだす。
「ワレの武器はまだまだたーんとある。それに尽きればこの拳で戦えばいいだけ。それだけよ!」




