刃物のアルビー
「そんな刃物如きにわしが」
「身体能力が下がっていてもそこは技術、もしくは能力で補う。それこそが戦闘のプロ」
アルビーはジャズミに向けていた片腕を前に出すとステンクに向けて無数の刃物を放つ。
「これが我輩の能力、ムゲンノヤイバ。無数に手から刃物を出すことができる。際限なくな。単純かつまさに強能力よ」
確かにあの能力単純ではあるが刃物を何発も受けきるなんて無理だ。しかもそれが無数に襲いかかるなんてもはや恐怖でしかない。
「強度の高い刃物は少し時間をかければ作れるが我輩にはこの最高の長ドスがある。よって我輩の能力で使う刃物は数のあるもので構わない。わかるかな?」
「そうかい。あまりわしをなめてもらっては困る。じめんのがれきなんぞいくらでも。それにお前のその刃、落ちてしまえばわしが有効活用」
「してもかまわないよ。我輩、それが狙いでもある」
ステンクがアルビーのせいせいした刃を体の一部にするとステンクが急に血を吹き出す。
「ぐふっお!」
「おっと。そろそろ効いてきたかな?我輩が魔王様より与えられた能力。我輩のムゲンノヤイバに付与された毒が」
ステンクは地面に倒れゆっくりとアルビーはステンクに近づき
「人間。お前の異能は確かに優秀だ。それは認めてやろう。だが戦闘のプロである我輩の前ではなんら強くはない。相手が悪いのだよ。純粋にね」
アルビーはステンクの頭に長ドスを突きつけた後、顔面をバラバラにした。
「まずは一人。次は君の相手をしてあげよう。人間」
「やっ、てくれたな。魔族風情が。よくもステンクを、と言いたいところ、だが拙者にはそこまでそいつに情はない。だが」
ジャズミは腰に装備していた剣を抜き
「同じラウンズのやつがやられたら拙者もなめられるのは困る。だから本気でやらせてもらうぞ」
「ほう。我輩相手に今までは本気ではないと?よく言えたものだな。人間。形も残らないくらい切り刻んでやろう!」
アルビーは手を前に出すと能力を使い無数の刃物をジャズミに放つ。
「本気って言ってもさ。拙者本当なら人を庇いながらの戦いとか苦手なんだよ。特に足手まといとかの場合はなおさらな。ステンクのやつは確かに強いが拙者よりは弱い。だからやつを庇いながらってのは正直やりにくかった」
「なんだ言いわけか?見苦しいぞ人間」
アルビーの無数の刃に対し、ジャズミは全て剣ではじきおとしたあと一気に距離をつめる。
「あながち嘘をついているようではないな。こうも簡単に我輩に近づけるとは」
「嘘なんかつかんさ。拙者強いからな」




