キングールの異能
「なんだ腕の色を変える異能か?」
「ま、これみたらそれくらいはわかるか。他には?」
他には?ということは違うってことか。でも確かにあれじゃただ腕の色を変えただけ。それだけであの体のでかい門番の魔族が急に倒れた理由にならない。あの腕で何かしたのはわかるが何をしたのかがわからんな。
「この黒い腕。そして奴の首の色。大ヒントだ。これならわかるか?」
キングールの腕の色は黒、門番の魔族の首の色も黒、ということは!
「毒か!」
「自信満々に言った割には不正解だ。今答えを見せてやろう」
キングールは門番の魔族に近づくと首に黒い腕で触れると黒い腕が吸い込まれるように奴の首にくいこんでいく。
「これが俺様の異能だ。色によってそいつの体に入り込めるし貫通もできる。だからこいつの防御も」
キングールの黒い片腕を取り込んだ門番の魔族の首を持ち上げた後、勢いよく地面に叩きつけた。
「こいつはもう死体だからここまでする必要はないがでもこんな感じだ。俺様の体は色を変化させることでそいつに潜り込んだりもできる。キングだった時の体もあのデブな体を見つけた時コウオ様に擬態しておけと言われてな。俺様を秘密兵器にするため誰にも知られないよう隠してくれたんだよ。このことはスメラギ様も知らぬ。俺様をラウンズの十席にすえたのはコウオ様だからね。一応はスメラギ様が選んだことになっているが」
確かにこれは秘密兵器と言えるかもな。剣の腕はかなりあるし異能もよく理解してつかえている。これは自分がコウオより強いと言える理由も頷ける。
「それじゃ門番の木偶も潰したことだしさっさと中に入ろうぜ」
キングールは前に出ると中のエンテイア王国に俺たちもはいる。以前とは違ってもはや人間が住んでいた頃のアーブルル王国とは違いもはや中はあれにあれきっていた。
あまりいい思い出のない場所だしこの王国ではろくな扱いを受けなかったがこうも悲惨な状態を見ると嫌な気分にはなるな。気分だけだが。
「おやおや。人間風情が我が王国にふみいるなどあの体だけが取り柄のバカは何をやっているのかな?」
俺たちが王国にはいると俺たちに近づいてきた魔族、肌の色は緑色で両肩には斧のような刃物、そして右腕と左腕の先端が斧の魔族が現れた。
「人間風情が侵入するとは死にたいらしいな。このS級魔族、バルグラン様が相手をしてやろう」
肌が緑色の魔族、バルグランと名乗った魔族は一気に俺たちに迫り、両手の斧で斬りかかった。




