サネルからマートルへ 2
サネルが死んだ後俺はプルークを背負ってギルドに戻る。ナギサもサネルが死んだ後は俺に続いてギルドに戻った。
「思ったんですけど私けっこう空気でしたよね」
ギルドに向かう途中でさらっとナギサがいじけたように言う。
確かにナギサの相手だったのにプルークがクロウズと戦い始めてからナギサは完全に空気とかしていたな。あんま気にせずにいたけど。
「ま、この強運たるナギサ様の出番はまだまだだってことだね」
え、空気扱いされてたやつが何言ってんの?
「ナギサ。悪いことは言わない。もっと自分の評価を見つめ直すべきだ。な?」
「は?強運たるナギサ、もとい戦闘のスペシャリストでもあるこのナギサが自分の評価をもう少し考えるべき、だとお?私は強い!だから大丈夫」
いやいや。強いとかの話じゃない。確かにナギサは強いよ?それは認める。だけどこの先は人間と戦うんじゃなく魔族と戦うわけだ。だからナギサの実力じゃもう。
「ま、お前の言いたいことは分からんでもない。確かに私は魔族側からすればもう闘いにはついていけないのかもしれない。でもゴールン都市を守るくらいならできる。だからさっさと魔王を倒してきな」
ナギサははきすてるように言うと俺は思わず笑ってしまった。何悲しいわけじゃない。嬉しくてな。思わず笑ってしまったんだよ。これで無茶とかしなさそうだから安心した。これ以上仲のいいやつが死ぬのを見るのは嫌だからな。
俺はナギサに対し思いながら急いでギルドに向かった。
ギルドに着くとギルドマスターが人を治療する準備をしていた。
「あ、お疲れ様コウタさん。無事で何よりです」
「そっちこそ無事で良かったよ。俺が戦っている間にギルドに何かあったら最悪だったからな。みんな無事でよかった」
俺はギルドマスターとギルドにいる連中に言うとマナカが
「それはこちらのセリフでもあるのです。コウタに何かあればあのこ、シナコが悲しむですから。それにサザメもまだ帰ってきてないです。ですからコウタにはサザメを助けに行ってもらう分元気でいてくれないと困るです」
マナカは俺に言った後ナギサが背負っていたプルークを地面に降ろし、ギルマスが応急処置を始めた。
「......こ、こは。後、傷口が、かなり痛い、です」
「ごめんね帝国のラウンズさん。私達には完全に治癒を使う異能使いがいなくて」
「大丈夫、だよ。ぼ、僕はこれくらいでは、し、死なない。マ、マートルと約束したから。後イツク・コウタにかりもかえさないといけないしね」




