ゴールン都市へ
俺はアルカナとの話を終えた後、起きると目の前でマルセが俺の顔をじっと見ていた。
「あ、」
「どうした?」
「あ、いやなかなか起きないので。ノックしても反応がなかったので部屋に入らせてもらいました」
俺から距離をおいてマルセがいう。俺がおきて顔を近づけていたせいかマルセの顔は真っ赤だった。
「どうしたそんな顔を真っ赤にして。体調が悪いのか?」
「な、何もありません!他のみんなは食堂にいますからコウタさんも準備ができたらおりてきてください」
マルセはそれだけ俺に言うと急いで俺が宿屋で使っている部屋から出た。マルセが出て行った後、俺も支度をした後に食堂に行くと俺の仲間たちはもうご飯を食べ始めていた。
「おきてくるのが遅いよ。コウタ」
キヅラが俺を見て言うと俺は「わりぃわりぃ」とこたえる。
「キヅラ!コウタ兄ちゃんは疲れてるの!仕方ないの!」
「チウルス。あまり甘やかしすぎるのもダメよ。ダメ人間になっちゃうから」
「そ、それは嫌なの!コ、コウタ兄ちゃん!あんまりねぼすけさんはダメなの!」
チウルスが俺の前まできて人差し指を立てて言う。これから魔族の拠点まで向かうってのに緊張感のないやつらだな。ま、俺も呑気に寝ていたんだから人のこと言えねぇか。
俺たちは宿を出た後帝国の入り口に向かうとそこでは帝国会議の際に見たラウンズ二人と俺を監視すると言っていたプルークが怯えながら立っていた。
「て、帝国から出るなんて何年ぶり、だろうか」
「そうだな。私も出るのは久々かな。ラウンズになってから一度でもすぐに帝国からでたからな」
プルークと共にいたクマンがプルークに言うと
「な、なれなれしく、しなえで。こ、今回はサマス様が、言うから仕方なく、君たちと組んだんだ。ぼ、僕はもともと一人の方がやりやすい」
プルークは爪をかじりながらクマンに言うと帝国の入り口に近づいてきた俺たちにきづく。
「や、やっと来た。く、来るのが遅い。本当に帝国に尽くす気はあるの?」
「来るのが遅かったことは謝るが俺たちは別に帝国の為だけに動こうってわけじゃない。魔王は倒さないといけない存在だから倒すだけ。それだけの話だ」
「な、何言ってるんだ。お、お前らは帝国のために戦えばいいんだ。で、でないと僕がお前らを用済みと思ったら殺すからな」
プルークは片手の指をふるふると振るわせながら俺たちに向ける。こいつ自信なさそうだけどなんか強気な自信のなさで中途半端なんだよなぁ。
俺達はプルークとクマン、後アルン?だったか?より前に出て帝国を出てゴールン都市に向かった。




