狙われた異能
「狙いは自分、だと?」
「そうだ。お前の位置の入れ替えは瞬間移動にも匹敵する。我はその異能。ぜひほしい!」
ゴヨーテはスルカに言うと、接近し腕でスルカの腹部を抉ろうとする。
「させないよ!」
俺はゴヨーテに近づこうとするが俺の糸は近距離でないと強力じゃない。位置の入れ替えの異能はなぜか使えない!まさかあのトリニティブックにあいつの、スクレンの異能か!
「どうした?このままではこの女は殺すぞ?強欲の異能で奪った後になぁ!」
ゴヨーテが俺に向かって叫ぶとゴヨーテの顔面がなぜか蹴られていた。
なんだ?一体何がおきた?マルセとチウルス、キヅラたちもスルカとは距離があるのに一体何が起こって!?
俺がゴヨーテの顔面を蹴られたことに驚いているとそこには死んだはずのスクレンが立っていた。
「そ、そんな。スクレン。生きていたの?」
マリネットは遠くからスクレンの姿を見て生きていたことが嬉しすぎたのか地面に泣き崩れる。
「これはあいつの、アガベの置き土産というやつか。確かザ・メモリーとかいうのにこいつの死体を入れていたわけだ。なぜ動いているかは知らんが我の顔を蹴ったんだ。楽に死ねると思うな人間」
ゴヨーテはスクレンを睨みながら言うとスクレンは虚な目でゴヨーテを見ていた。
俺はゴヨーテが倒れているすきにスクレンのとこにまで近づくとスクレンは近くにいるはずなのに、生きていると思っていたのに正気を感じなかなった。
こいつ脈を感じない。というか呼吸をしていない。まるで死人だ。
「そこの人間。イツク・コウタ?とかいうやつか?そいつは死んでいるぞ。ザ・メモリーのおかげで体が綺麗に保存されていただけよ。我がザ・メモリーを使用しながら戦えばそいつは死人で動いたかもしれんが我は位置の入れ替えの異能が欲しいからな!」
ゴヨーテがスクレンを無視して、スルカに近づこうとするとスクレンがスルカの前に出て胸部を抉りとられる。
「邪魔をしてくれたな。死人如きが。だがこれでお前は動」
ゴヨーテが喋っている間にスクレンが殴りかかり、ゴヨーテは奴隷街にあったボロボロの建物にまで殴りとばされた。
「ヤ、ラ、セン。コウタ、ノ、ナカマ、ハ、ワタシ、ガ、マモ、ル」
スクレン、お前もう死んでいるのに死して体を動かしてまでそんなことを。全く、お前って奴は。
「俺も仲間をはりきってまもらないとなぁ!」
「コウタ、ナカマ、マモル。ヤラセ、ナイ」
俺とスクレンは隣でたちながら言うとゴヨーテがまた不機嫌な顔で
「ほんと、イラつく人間ども、だ!」




