空席
ザムルの遺体を俺は担いで城の入り口にまで運ぶと城の入り口にはなぜか帝王であるスメラギが立っていた。
「そなたは、そなたが背負っているのはザムルか?」
スメラギは俺に聞くと俺は首を立てにふる。
「そうか。ザムルがやられてしまったか。惜しいことだ。このことは皆に、ラウンズの皆に伝えねば」
「ま、待って下さい!帝王様!」
俺と一緒に来たセフスがスメラギに頭を下げると
「君は確か、セフス、だったかな?」
「はい。あっしはセフス・トメンです。帝王様。ラウンズが、ましてや帝国の民が、あなたのために尽くした民が死んだのですよ!」
「それはそうだがそれだけの話よ。こんなことでいちいち妾もうろたえてはおれぬからな」
スメラギはたんたんとセフスに言ってはいるが手をぐっと握りしめ、そこからは血が溢れていた。
「......あっしが悪かったです。帝王様。邪魔してすいませんでした」
「いやかまわない。友の死でそうなることはよくわかっているわ。だから妾は気にせぬ。そなたは守るべき民でもあるからな。ザムルの件は妾がいたらぬ王ですまなかった」
スメラギはセフスに頭を下げるとセフスは慌てて
「そ、そんな、顔をあげて下さい!あっしはもういいですから。帝王様の気持ちはよく伝わりましたから」
「そうか。では妾はいく。イツク・コウタ。そなたはあとからでいいから王の間に来てくれんか?迎えは行かせるから城の入り口らへんで待っていてくれ」
スメラギは俺に言った後どこかへ行き、俺とセフスも城の入り口らへんに戻るとマルセ達はすでに集まっていた。
「コウタさん。ザムルは見つかったんですか?私達は見つからなかったので一旦ここに戻ってきたんですが」
「ああ。ザムルなら見つけたよ。......ザムルは死んでいた」
俺はマルセ達に言うとマルセ達は下を向く。あんまり話してないけど一緒にいた時間はそれなりにあるしな。マルセはわからんがチウルスとかはへこんでいるかもな。
俺たちはしばらく城の入り口にいると俺たちのもとに仮面をつけている男が近づいてきた。
「あれは、ジャズミ」
「また会いましたな。あなた方はコウタ様チームでよろしいですよね?」
「ああ。そうだ。それでお前は誰だ?キヅラ以外はお前が誰だかわからないんだが」
「名乗るのがおくれました。拙者はラウンズの第六席、ジャズミと申します。以後おみしりおきを」
ジャズミは俺たちに自己紹介した後頭を下げる。
「今回は拙者が帝王様のもとに案内させていただきます」
ジャズミが俺たちに言った後俺たちはジャズミの後について行った。




