カタグリ組の頭 2
カタグリ組若頭ゼンシ・カタグリは組に入った当時から上昇思考があった。カタグリ組を世界一の組にする、と。だがゼンシの父でありカタグリ組の組長であるスルベ・カタグリは
「うちはインドアな組にする。今更力で成り上がるなんてことはしない。任侠に生きるんだ。わかるな?ゼンシ」
「は?なんでだよ親父!ひよったのかよ!」
ゼンシは父であるスルベに言うとスルベは
「ひょってなどいない。時代だよ。今更カチコミとかはもう古いんだよ。今は任侠に生きた方が得策ってやつだしカッケーだろ?」
スルベは笑顔でゼンシに言うがゼンシはなぜ父がこんなに笑えているのかよくわからなかった。父も極道に、カタグリ組に入りたての頃はかなりヤンチャしていたらしく帝国の貴族ともなんども揉めたらしい。そのかっこよさにゼンシは憧れたというのに今やその父は腑抜けになったのだと。ガッカリしていた。
「あ、インドアにするって言ってもみかじめ料もらってるところの護衛はちゃんとするぞ?そこまでわしも薄情ではないからな」
「......私には親父の考えは理解できません。今の極道は人形なんかじゃ生きていけねぇんだよ。わからねぇのか?」
「組を抜けたいなら好きにするといいさ。冒険者ギルドに行くのもいいし、帝国の軍に入るのもいい。わしはそれをとめたりしねぇ。わしのわがままを聞いてもらうんだ。当然だろ?」
スルベはゼンシに言うとゼンシは納得はできなかったが組長室から一旦出ると組の本部から出て鬱憤を撒き散らすように歩いていた。
「何が任侠だ!今どきそんなもんはやんねぇよ!組は強くないといけないんだ。そうしないとなめられちまう。このままだとカタグリ組はよそにぺこぺこ頭を下げる低レベルな組織になってしまう。どうにかしなければ。この私が」
ゼンシはぶつぶついいながら歩いていると知らないうちに帝国の外に出ていたのかそこで急に黒服を着た男が現れた。
「そこの人、お困りですかな?」
「あ?なんだ?私になんのようだ?」
ゼンシは男にかまえると男は両手を上げながら
「おっと。我は怪しいもんじゃありません。我の名はランダバ。あなたのお悩みに協力できると思いまして」
「私の悩みがなぜお前にわかる?怪しく感じるだけだぞ?」
「それは無理もありません。ですが我の能力は相手の考えをよむだけの能力。しょぼい能力ですよ」
ランダバはゼンシに言うとゼンシは疑いながらも
「私に協力するというのは本当か?」
「ええ。もちろんですとも」
ゼンシは疑いながらも策がないことからランダバと手を組み、スルベを遠くの地に追いやった後、ゼンシはクルーン達を使い、組を改革し完全なる力がある組織にし、非道なシノギにも手を出した。だがゼンシは結局ランダバに見捨てられ魔物化手前にまで姿を変えられ、ソウガによって殺された。




