ゼーダス 2
拾ってくれた冒険者を殺した後、ゼーダスはすぐに冒険者としての資格を剥奪され牢屋にぶち込まれた。
(おいらはなんで生きてるのかな。わかんないやもう。このまま牢屋で暮らしていくのも悪くないかよい。もう誰かと生きるのには疲れたよい。だからといって一人で生きていっても目標なんてないよい)
ゼーダスは牢屋で悩み続け、数ヶ月経った頃、ゼーダスの前に訪れる者がいた。
「なぁ君。少しいいかな」
「......なんのようだよい」
「私はクナンという者だが君の名を教えてくれないか」
「名前、か。ゼーダスだよい。それで?」
ゼーダスはクナンと名乗った男に用件を聞くとクナンは
「君はこの牢屋から出る気はないかい?実は私は」
「話のこしをおるようで悪いけどおいらは牢屋から出る気はない。おいらは外でやることなんてないし。それにおいらは」
「人を殺してるんでしょう。それくらい知っていますよ」
クナンの言葉にゼーダスは驚く。なんでこいつはおいらが人を殺しているのに驚かないんだ?
「私は組織を作ろうと思っていてね。君にも入って欲しいんだ。なーに。君のことを殺そうとするやつはいる、かもしれないがまぁ少なくとも恐れてではないから大丈夫だよ」
「おいらを恐れない?そんなことはありえないよ。おいらと親しくなった人はおいらのこと必ずうとましく思うよい。だから」
ゼーダスはクナンの誘いを断ろうとしていたがクナンは牢屋を破り
「な、なんのつもりだよい。おいらは牢屋から出る気は」
「だめだ。君は仲間にすると決めたんだ。君なら私を裏切らないだろうからね。私の作る組織はほぼ利害の一致で集まる組織だが私の信頼する仲間は二人は欲しいんだよ」
「ふ、ふふ。ははは、ははは!裏切らない仲間か。そんな言葉初めて言われたよい。三度目の正直って言葉もあるよい。わかった。あんたの仲間になるよい」
ゼーダスはクナンに言うとクナンは
「私の熱意が伝わってくれたようで嬉しいよ。約束する。私も必ず君を裏切らない。だから君も私を守ってくれ。頼む。私は死にたくはないんだ」
「ふ、ふふ。面白いよい。わかったよい。おいらの異能は異能を防ぐ異能。そして近接戦闘もおいらより強いやつはあまりいないと思ってるよい。だから任せるよい」
こうしてゼーダスは牢屋から脱獄し、クナンの組織、トリニティの一員になった。だがゼーダスは正直トリニティの中で信頼していたのはゼブルス、クナンの二人だけだった。
そうだ。おいらは負けるわけにはいかない。どれだけ格上だろうとクナン様は守ってみせる。




