旅立ち 2
「あ、りが、とう。マルセ。お前、らの、旅が、いい旅、に、なるよ、うに、いの、って、いる」
最期にそこまで言うとクズシは喋らなくなった。
「マルセ。頼む」
「もちろんよ。コウタと爆炎の異能をつかいこなす訓練をしたから高火力でも、1人の人間を燃やすくらいあまり派手にやらないですむわ」
マルセはクズシの遺体を骨も残さず灰にした後、俺に対し
「コウタさん。私、クズシのこと嫌いじゃなかったの。ただクズシは私が呪いもちになった瞬間、私のことを見限ったように見えたからあの時からクズシとは表面的な付き合いしかできていなかったの。こうなるならもっと話しておけばよかった」
「そうだな。俺もクズシが死ぬなんて思わなかったよ。俺のせいだ。こころあたりはないが多分俺と一緒に異世界召喚されたクラスメイトのやつらの誰かがヨウクをこの村によこしたんだろう」
俺はマルセに言うとマルセは「そうですか」と言った後に
「じゃ私あなたと旅をします。クズシの仇を討つ為に」
「そうか。俺も今日は村から出て新しい場所に行こうと思っていたんだ。本当はしばらくいたかったが俺が狙われているとわかった以上早めに出なければならない。だから明日、村から出よう。俺は今から村に戻って村長にクズシが死んだことと村からでることを伝えてくる。マルセは旅立つ準備をしといてくれ」
俺はマルセに言うとマルセは「わかりました」と頷き俺とマルセはその場で別れ俺は急いで村に戻った。
村に戻ってきた後俺はすぐさま村長の家に向かう。
「村長!」
「わ!なんだコウタか。そんな慌ててどうした?」
「実は」
俺は村長にクズシのこと、そして俺が村にいると村が危ないことを伝えると村長は「そうか」と言った後俺の方に手を置き
「すまない。僕もこの村を守らないといけない身だ。だから早々に村から出てくれると」
「ああ。明日マルセと一緒に村から出ていくよ」
俺は村長に言うと村長は申し訳なさそうに「すまない」と言った後
「村には冒険者を雇うから安心して出ていくといい。ことが落ちついたらいつでもきていいからな。今はそれだけしか言えない。お前を村で守るとかできなくてすまない」
「大丈夫ですよ。近々村から出ようと思っていたのは本当ですから。それでは村長お元気で」
俺は村長に話した後別れをつげ、クズシの家に戻ると旅の支度をしてその日は眠りについた。
次の日の朝、俺はマルセとアワレテ村の前で合流する。
「おはようコウタさん。よく眠れましたか?」
「ああ。よく眠れた。それじゃ行こうか」




