状況報告
「そうだな。赤い髪のやつは死んだよ。タンクトップみたいな服もきてたな。異能は触れたものを溶かす異能だ」
「やっぱりあいつに勝ったんですね!流石はコウタさん!」
マルセはキラキラした目で俺を見る。そんなキラキラした目をされてもな、マジでギリギリだったんだが。
「それでこいつが怪我をしてかなりやばいから急いで戻って来たんだがキヅラもいないってなるとちとやばいかな」
俺はマルセ達に言うと丁度キヅラが俺たちの泊まる宿に戻ってくる。ただキヅラの姿はお年寄りにまで変わり果てていた。
「はぁはぁ。つ、疲れた。やっぱり、歳をとると歩くのもなかなかしんどいわ」
「キヅラか?お前。キヅラだよな?」
「キヅラだよ。ギルドマスターの相手が悪そうだから、私の生命エネルギーをほとんど、注いだからこれの歳まできたのよ。全く、今まで貯めてきたものがパーよ。パー」
「そんなやばいやつがきたのか?それならお前も加勢すれば」
俺はキヅラに言うとキヅラは首を横にふる。
「私がいても邪魔なだけ、くらいの時にまで若返らせたから。まさに最前線と言ってもいいくらいに。だから死んではないと思うけど相手が相手だからね。下手をすれば死んでいるかも」
「そんな強い奴なんてまさか」
「そう。そのまさか。ギルドにまたクナンがきたの。今は都市から出て離れた場所で戦っていると思うけど」
キヅラは俺に言った後俺は
「ならギルドの方の様子見にも行こうか。後シナコはどうした?」
「シナコ姉ちゃんならここなの!」
チウルスが空間の異能を使ってシナコを呼ぼうとしたがチウルスがなぜか慌てて
「い、いない!いないの!シナコ姉ちゃんがいないの!」
シナコがいない?なぜだ?チウルスの空間の中から出られるはずは
「それはわたーしの能力ですだーね。人間。君の異能の中にいた女はもらっただーね」
急に俺たちの前に現れた全身が黒く、頭に角が2本生えた魔族みたいなやつが言う。
「わたーしの名はセイバン。嫉妬のセイバンだーね。わたーしの能力は空間移動だーね。他人が作った空間にも入ることができるだーね」
セイバンと名乗った全身が黒いやつが言うとチウルスはセイバンを睨み
「シナコ姉ちゃんを攫って一体何のつもりなの!」
「わたーしはあくまで魔王様の命令に従っただけだーね。あんなイカれた小娘が魔王様の伴侶になるなんてわたーしは認めたくないだーね」
は?シナコが魔王の嫁?は?は?は?
俺はセイバンに近づき顔面を掴むと
「シナコを返せ。クソ魔族。ぶち殺すぞ」