最強と呼ばれた女 2
私がギルドマスターになり数年後、私がギルドマスターになる前の前任が私の前に現れ
「よう。元気か?」
「もとギルドマスター。どうしたんですか?」
「よせやい。今の私はアタマ・イワシさ。アタマでいい」
もとギルドマスター、アタマさんは言うと私に
「ギルドマスターはちゃんとやれてるか?」
「ええ。自分なりに」
「そうか。それならよかった。お前のおかげで今私は自由に冒険者をできている」
「冒険者というわりには依頼を受けにはきませんけどね」
私が愚痴るように言うとアタマさんは「これはこれは頭がいたいな。アタマだけに!」と冗談をはさみながら言う。
「つまらないことを言って悪かったね。今日はちょっと次会えるかわからないからさ、君の顔を見にきたんだよ」
「私の顔を?それに次会えるかわからない?どこか遠くに行くのかい?」
私はアタマに聞くとアタマは
「帝国に行くんだよ。魔王討伐に志願したのさ。ここにいる冒険者達も行くだろう?」
そう。私が若い時まだ魔王は封印されておらず魔族のはびこる時代だった。アーブルル王国という国もなくアーブルル王国は当時はエンティア王国と呼ばれていた。この時は魔王は帝国を侵略するために攻め、帝国からの応援をうけ、勇者と一緒に帝国に向かう優秀な冒険者を募集していた。
「アタマも行くのか?」
「まぁね。私も平和な世界ってやつを見てみたいしさ。そうすれば気兼ねなく冒険の旅ができるってもんさ」
「そうなんですか。ゴールン都市の冒険者も何人か行くそうなのでどうか仲良くしてやってください」
「はっはっは。もとギルドマスターなんだからその辺は大丈夫さ。ま、朗報を待っていてくれよ」
アタマはそう言ってギルドから出て行き、帝国へと向かったらしい。
次にアタマの話を聞いたのは数ヶ月後、帝国での魔王との戦いに向かう道中、勇者を先にいかせ、魔族をおさえていたところ、魔族との乱戦で死んだという情報だった。
アタマが死んだというのは信用できなかったがやつの片腕が遺品として私のもとに送られてきた。
「アタマ。お前、死なないんじゃなかったのかよ」
私はアタマの片腕が遺品として届けられた日、やけ酒した。当時はあの人の死が受け入れられなかった。そんな時、当時勇者と呼ばれていた人が私の前に現れた。
「あんたは」
「こんなところで酒に溺れていてもいいことなんてありませんよ。それにアタマさんもこんな光景見たくはないはずです」
「......あんたに何がわかる。私の何が!」