ゼブルス 過去
俺ことゼブルスは今トリニティのこうせいいんでクナンの手下、いや友として目の前にいる敵、イツク・コウタと戦っている。俺の異能は触れたものを熱で溶かす異能。ものに触れたりしないと使えない異能。そして昔は加減するのも難しく、子供の頃は馬鹿にされたりしていた。
俺はエンディグ帝国の軍人の息子、長男として生まれた。父は俺にかなり期待しており、母も同じくだ。父は軍人の上位であるラウンズとやらには在籍していなかったがそこそこいい位置だったらしい。俺は父からの英才教育でかなり鍛えられたが異能が使えないせいで父からはゴミをみるような目でみられていた。
「お前は使えんな。わしの優しさで鍛えてはやってはいるが異能使いとしてはダメダメだ。お前には可能性というものもない」
父はそう言いながらも俺に特訓しまくった。特に体術。そのおかげで今はこうして強くなったわけだが。
父には軍人にはなるなとは言われたが俺は父には内緒で軍の試験を受け、採用されて軍人となった。軍人になったことを伝えると父は
「あれほど軍人にはなるなと言ったであろうが!お前のようなバカ息子は知らん!家から出ていけ!」
俺は家から追い出され、軍の寮に入ることにした。
軍に入って任務をこなして数日後、俺はたまたま父が他の軍人と喋っているのを見て様子を見るのに聞き耳をたてていると
「そう言えばお前んとこの息子どうしたんだよ?家から追い出したんだろ?」
父と喋っていた軍人が言うと父は
「息子?私にはそんなものはいない。恩を仇でかえそうとする男など知らぬ。私には息子などいないよ」
「はっはっは!そりゃいいすぎじゃないか?異能ははずれでもかなり体術は大したもんなんだろ?」
「そうだな。体術だけならそこそこいいとこまでいけるだろうな。だが帝王様がやつは軍に入れてはならんというから入れないようにしていたのに勝手に試験を受けて帰ってきたもんだから追い出して当たり前だ。体術ができてももはや私からすれば意味はない」
父は軍人に言うと軍人は「ひでぇ親だな」と言う。俺もあの父は酷い父親だと思う。頭ごなしに否定しかしないからな。どれだけ努力しようと誉めてはくれない。本当にひどい父親だよ。
「あんな子に育つなら生まれてこなければよかったんだよ。あのバカ息子は」
父が軍人にそう言った瞬間俺は思わず父の前に出た。
「父よ。それはいいすぎではないか?」
「盗み聞きとはくさったやつだな。やはりお前は軍人に向かぬ。今ここで殺してやろう。父としてのせめても情けだ」