魔族とアルカナ
「・・・そうですね。そろそろ頃合いだとおもいます。ですがまずは目の前のことに集中してください。あいつを撃退したら私は主人様に全てを話します」
全てを話すか。なら早々に終わらせないとな。
「残念ながらお前を早くかえさないといけなくなった」
「へぇ。おいらをはやくかえすねぇ。よくそんなことが言えるね。目の前の魔族もどうにもできないのにさ」
コムルクスは俺に言うと両腕を爆破でとばしたはずのオオカミの魔物は俺に牙を向けて襲いかかる。俺はオオカミの魔物の攻撃を避けた後腹部に触れて思いっきり
「ぶっとべ」
俺はオオカミの魔物の腹部に爆炎の異能を使い体を一度爆破させた後全焼させ、オオカミ魔物の体は燃えながら地面に倒れる。
「やるじゃないか。それで次はおいらを殺すのかい?おいらにはまだ魔物が沢山いるよ」
コムルクスは指をパチンと鳴らすと俺の前に大量の魔物が現れる。
「そうか。まだまだわんさかいたか。でもよかったよ。ミチル達をおっていなくて」
俺は糸の異能を使い近づいてくる魔物達に
「切断糸」
俺は切断糸を両手指の先端から出し近づいてくる魔物に切断糸を全てむけ体をバラバラにする。
「そ、そんな。お、おいらの、おいらの怠惰で強化した魔物達が」
「で?次は君がやるかい?怠惰のコムルクス」
「ふ、ふふ。い、いいだろう。き、今日のところはひ、ひいてやる。怠惰の能力をもつおいらをここまで追い詰めたこと。褒めてやろう。それではな」
コムルクスは俺に背を向け逃げていく。この程度の強さなら別に逃しても問題ない。怠惰のコムルクスってやつも弱いんだな。
「主人様には奴をおってほしいが仕方ありません。奴は怠惰の能力のおかげで弱くなっています。ですがいつ本気を出すのか分かりません。ですから見逃すほうが得策でしょう」
アルカナは俺にいい、俺はアルカナの言うとおりコムルクスをあえて逃すことにした。
「それじゃ話してもらうぞアルカナ。お前の知ることを」
「・・・ゴールン都市に向かうならその合間に話しましょう。そのほうが主人様はご学友?と言えばいいのでしょうか。その方達を心配せずにすみますから」
アルカナの言うことはもっともだ。まずはマルセ達と合流しよう。
俺はアーブルル王国を巡回しているマルセ達と合流した後、支度をしてからアーブルル王国の入り口に立つ。
ここを捨てられてから俺の異世界ライフが始まったがこんな形で戻ってきたかと思えばこんな形で出ていくことになるとは。全く奇妙な人生だな。