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愚者 2

「無様だな。あれだけ悪政をしき、最後は利用されてそんな姿にまでなるなんて」

「ワタ、シハ、コンナ、トコロ、デ、シヌ、ツモリ、ハ」


 魔族の体になったセクヤは息絶え絶えにいう。こいつはもう助からないのはわかるが聞くことがある。生きているうちに聞かねば。


「お前は何でこんなことをしたんだ。オーキ神父とともに悪事を?」

「ワタシハ、タダ、ミンナ、二、ミトメ、ラレタ、カッ、タ。ワタシハ、オトウト、ヨリ、デキル、ヤツ、ダト」


 魔物の姿で目から涙を流しながらセクヤは言う。弟、ミカヅキ王子よりできる子だと認められたいからあんなくだらないことをしたのか?


「それならもっと違う方法でやればいいのに。バカなやつだ。だから利用されるんだ」

「ウ、ルサイ。オマエニ、ワタシノ、ナニガワカル。ワタシハ、ミカヅキガ、ウマレ、スウネン、デ、シロノ、ヤツラモ、チチウエ、ハハウエモ、ワタシヲ、アワレンダ、メデミテ、ミカヅキダケヲ、ユウグウスルヨウ、ニ、ナッ、タ」


 セクヤは紫色の血を地面に吐き、もうながくないくらいに身体がぴくぴくと痙攣していた。


「お前にはまだ話してもらうことがある。死ぬことは許さん」

「ハ、ハハ。ムリ、ダ。ワタシハ、モウ、シ、ヌ。ソレニ、キサマラニ、イウコトナド、ナニモナイ」


 セクヤの体が下の方からだんだん灰えと変化していく。これはもう無駄だな。


「オマエラニ、ミカタスル、ツモリハ、ナイ。ワタシハ、モウ、ミレンガ、ナイカラ、ナ。ダガ、マオウ、ハ、コロシテクレタラ、アリガタイ、ナ」


 セクヤはそこまでいい終えると体は完全に灰になりなくなった。


「最後まで自分勝手なやつだ。だがお前に言われなくてもやつは殺す気でいるから安心しろ」


 俺はセクヤの体があった場所に対し言った後教会の跡地を後にした。

 俺はマルセを背負い、キヅラにはサザメのことを任せると2人で拠点に戻る。拠点に着くとシナコが俺を見ると


「あー。コウタだー。どこ行ってたの?私探したんだよ。あは!」


 シナコはフラフラと俺に近づいてくる。シナコ。俺が教会に向かった時と同じ状態のままじゃないか。


「ごめんなさい。コウタ。シナコは精神が壊れてて今はどうにもできないわ。役に立てないでごめんなさい」


 俺の近くに赤い髪のショートヘアーの女の子が近づいてくる。こいつ、誰だ?初めて見た気がするが。いやクラスメイトだよなぁ?


「あー。ミチルちゃんだー。ミーチミーチミチルンルンー。ルンルン」

「そうですよ。ミチルですよ。シナコさん。今はゆっくり休んでくださいね」

「えー。私はまだまだ元気だよー。遊ぼうよー。ミチルー」

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