愚者
「何で酷いことを全く。人間とはひどく愚かなものだ」
オンキはマルセに言うとマルセはオンキに向け
「お前の方が最低だろ。人を魔物に変えるなど吐き気がする。お前はここで殺してやるぞ。オンキ」
「わしを殺す?ふ、ふふ。ようほざいたな!人間風情が!」
オンキはマルセに向かって剣を抜くとマルセは
「見ていて下さいコウタさん。これが異能を極めたものが使える異能世界。爆炎の世界」
マルセはオンキに対し言うと崩れた教会から場所が焼け野原の炎の世界に変わる。これは何だ?異能か?
「主人様。これは異能世界です。異能を極めた者が自分の異能を領域のように広げる。それが異能世界」
異能世界。そんなものがあるとは。しかしこの熱気。すごいのに全く暑く感じない。
「主人様は味方とマルセが認識しているので異能世界がかなり凍えていようと熱気がすごかろうと対象にはなりません。ですが対象になった者はああなります」
俺の隣に現れたアルカナが言うとオンキの体は炎に包まれていた。
「これはこれは熱い熱い。しかし人間が異能世界を使うのを見るのはいつぶりでしょうか。異能世界を使えるものは呪い持ちを克服したもののみ」
「私がこれを使えるようになったのは最近よ。確かに呪い持ちはコウタさんのおかげでどうにかできた。でも私はまだ爆炎の異能をちゃんと扱えるわけではなかった。だから私は爆炎の異能を鍛え続けた。そうして使えるようになったのがこの異能世界」
マルセは手を前に出すとオンキの背中の羽が一瞬で爆発する。
「ぐっ!」
「爆炎の世界では私が対象に手を向けただけで対象の体の一部を爆破する。そうして爆破させた傷口に回復できない痛みと炎を撒き散らす。どうだ?お前のような者が死ぬにはちょうどいい世界でしょ?」
「ふ、ふふ。確かにこの世界はすごい。だがわしは魔王様のいる世界に帰るつもりなんでね。羽ぐらいはくれてやるさ」
オンキは指をパチンっと鳴らすとマルセの爆炎の世界は一瞬で消え、周りが真っ黒な世界に変わる。
「ば、かな。私の、異能世界が」
「いつまで我を待たせるつもりだオンキ。早く帰ってこい。我は狭間の世界にて待っているのだから」
「承知しました。それでは今参ります」
暗闇の世界からオンキは消え、オンキが消えた後、爆炎の世界になる前の場所、教会の跡地に転移した。そこにはマルセによって体を全身燃やされ無様に死んでいるセクヤの体があった。
「ワ、タシ、ハ、ドウ、シテ」
こいつ!まだ息が!それに理性があるのか?