トリニティ
「民と私を逃す?何言ってるの?私が逃すわけないでしょ!あなた達を!」
マリネットはスペルダとアガベの周囲に切断糸を2人を包み込むようまばらに張る。
「これであなた達は逃げられない。あとはコウタ様を待つだけ。コウタ様がくればあなた達程度!」
「本当に学のない女。アガベがここに来たということは目的を果たしたということ。これの意味することがわからない?」
アガベは手に持っている本を開くと
「異能発動。お前は私達を傷つけることはできない」
アガベがマリネットに言うとマリネットは糸をとばす。
「バカね。傷つけるどころかチャンスがあるならあなたを殺すわよ!」
マリネットが飛ばした糸は当たったがマリネットの糸はアガベとスペルダを傷つけることはなかった。
「え!?」
「へぇ。異能は使えるんだ。やはり異能を極め呪いもちになったやつには異能無効までは効かないのか。だが秩序の条件は大丈夫なんだね」
「私の、私の貫通糸が、コウタ様に強化してもらった異能が効かない」
マリネットは1人驚いているとアガベとスペルダは隣を通り過ぎ、マリネットはただ呆然とそれを見逃すだけだった。
俺はタンド戦の疲れもあり、少し王の間で休んだあと地下牢に向かうと地下牢には倒れている巨体の男とキヅラ、シナコが待っていた。
「コウタ!やっときた。急いで拠点に戻りましょう!嫌な予感がするの!」
シナコは俺に向かって近づいてきた後に叫ぶ。どうしたんだこんなに慌てて。それにミカヅキ王子はどこに?
「ミカヅキならさらわれたらしい。クナン達によって」
クナン?キヅラが俺と合流したときにも言っていたがなぜクナンがミカヅキ王子を?それにセクヤ王は?
「セクヤ王はミカヅキ王子を連れてクナンと逃げた。だからもう城にいる意味はないの!はやくコウタの仲間と合流していきましょう」
シナコは慌てながら言うので俺たちは急いで地下牢を出た後、入り口でざこをひきつけてくれていたマルセ、チウルスと合流する。
「コウタさん!」
「コウタ兄ちゃん!無事だったの!」
マルセは俺に近づきチウルスは俺に抱きつきながらいう。
「ああ。俺は大丈夫。2人の方こそ大丈夫だったか?」
「もちろんです。私達はそう簡単にやられるような女じゃありませんよ。それにここに集まってくる奴らは本当に弱い奴らばかりでしたから」
「そうなの!そうなの!チウとマルセ姉ちゃんにすればあんな奴ら楽勝なの!」
マルセとチウルスは余裕の表情で俺に言う。全く。頼もしい2人だ。