俺とシナコ
スクレンの今後の作戦についての説明が終わった後、俺は1人で外に出て王国を見ていた。あらためてみるとひどいもんだ。俺を追放した国がこうなるのもざまあないなという気持ちもあるが俺を国から追い出したのはアキラとオーキ神父、セクヤ王だ。民に恨みを持つのは筋違いかもな。
「コウタ。こんなところで何してるの?」
俺は王国内を歩いているときに後ろから誰かが話しかけてきた。この声はシナコか?
「シナコか?」
「うん。そうだよ。でも私驚いたよ。まさかコウタがあんなに強くなってるなんて。惚れなおしちゃった」
「ふ。そうか。俺の異能はレア異能らしいからね。まだまだちゃんと扱いきれていないし。それに強いのは仲間たちの異能のおかげもある。彼女達の異能が俺をさらに強くしてくれた」
俺はシナコに言うとシナコは空を見ながら
「コウタ。変わったね」
「そうだな。変わったと思うよ。でも変わらないと生きていけなかった、と言えばいいかな?よくわからないけど。でも俺が変われたのは俺を助けてくれた人がいたから。そいつがいなきゃ俺は魔物のエサになっていたよ」
俺はシナコに言うとシナコは軽くはにかんで笑い
「コウタもそんな冗談が言えるようになったんだね。その助けてくれた人に感謝だね」
「いや、魔物のエサは冗談じゃないけど」
俺はシナコに言うがシナコは「またまたぁ」と笑いながら言う。いやまじでこの呪い喰いの異能がわかる前は弱かったんだよ俺。
「シナコはこの王国で何してたんだ?テンノスケからはそれっぽく王国から出られないということは聞いていたが」
「それはアキラのやつに意図的に出されてないのもあったけど私の異能はあったときも言ったように治癒の異能。それで状態異常とかも治るから私を崇める信者ができちゃって。その子達も人質にされていたから身動きがとれなかったの。今あの廃墟の中にいる民の大半も私の信者。だから私がいなくなったら信者達は何をするかわからないけどそこは私がなんとかしておくわ」
治癒の異能で状態異常まで回復するってかなりすごい異能じゃないかキヅラのように若返ったり歳をとることもなく、マリネットの回復糸みたいな応急処置よりは強いだろうからな。
「お前は俺についてくるのでいいのか?」
「いいも何も私はコウタが追放される前からついて行きたかったよ。でもアキラとあのクソ王に邪魔されたから行けなかっただけ。今の私達は自由だから」
シナコは俺に面と向かって言うと俺は
「そうか。そうかそうか。そりゃ嬉しいや。ありがとうな」
「何を言ってるのやら。当たり前でしょ」




