日常の崩壊
「桜ー!早く起きなさい!遅刻するわよ〜!」
「え!?今何時!?」
慌てて時計を見ると、登校完了15分前。
「ああ...終わった...」
今日は授業があるのに!
「おかーさーん!なんでもっと早く起こしてくれなかったの!?」
「あんたが起きないんでしょうが!」
「行ってきますー!」
「あ!朝ごはんは!?...もういないし」
やばいやばい!初日から遅刻とかもうやばすぎて草も生えない!
(桜は陰キャでネット民)
今日も自転車で行こう!その方が楽だし!
私はいつも通り、少し錆びた自転車にまたがる。
そしていつも通りの坂道をおりていつもの交差点を通る。
いつも通りの日々。
まじで遅刻しそうなのでちょっと飛ばしていく。
キーンコーンカーンコーン
「はぁ間に合った..」
「おはよう!いつも通り遅刻ギリギリで前髪はおろしてるのね。」
「しょうがないでしょ。目付き悪くて恐がられるんだもん」
この子は幼なじみの麗ちゃん。
こんな陰キャオタクで目つきも悪いやつと仲良くしてくれるいい子だ。しかも可愛い。
「てか、今日授業なんだっけ」
「時間割表貰ったでしょ?」
「え?そうだっけ?あるかな...あ!あったあった!」
ちょっと抜けてるところがあるけど。
「昨日から学年変わったけどあんまり変わってないね~」
「まあ2クラスだし?」
ガラガラ
「よーしみんな〜席について!授業始めるよー!」
あ..杏那先生だ..1時間目は算数だっけ?
この先生は苦手なんだよな~。The☆陽キャって感じがするし。
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午前の授業終了
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「ねーね桜!屋上行って2人でご飯食べようよ!」
「あーいいよ。行こっか。」
この時己の本能が行くなと言っていた。
自分の本能に大人しく従っておけばよかった。
「ふう。ここなら人もいないしちょうどいいね」
これは人混みが嫌いな私のことを気遣ってくれているのだろうか。
「ねえねえこっち来て景色見渡そ!」
「え..あ..うん」
麗ちゃんの方によって街を見渡す。綺麗だなぁなんて見とれていた。
とんっ
背中の方に感触がした。
「え」
「ばいばい、桜」
そのまま私はバランスを崩して、落ちていく。
だんだんとフェードアウトしていく麗の姿を見ながら、私は
「生まれ変わったら、どうせなら異世界に行きたいなぁ」
なんて、呑気なことを言っていた。
最後に聞こえたのは、グシャッという気持ちの悪い音と、生徒のかん高い悲鳴だった。