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夢の切れ端 短編集  作者: 夏川雛
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夢の老婆

この話はこの前見た夢を少し書き換えてもう少しストーリー性を持たせたものです。

夢の老婆


 いかにも高級そうなレストランで二人の女性が向きあって食事をしている。

 一人は童顔で低身長のかわいらしい恰好の女性、もう片方はスタイルもよくいかにも大人の女性といった感じだ。


 「「乾杯」」


 グラスを片手に二人は熱烈な視線を送りあっている。二人のまるでとろけるような笑顔が彼女達の関係性をものがたっていた。


 「ねぇゆかり、この後の事なんだけどさ」


 どうやらスタイルのよい女性の名前はゆかりというらしい。

 

 「なあに?マオ」


 童顔の女性はマオというらしい。二人は微笑みを絶やさず会話を続けていく。



 ・・・・・・・・・・

 


 視界が一瞬にして切り替わる。


 随分暗い場所だ一体ここはどこだろう?

ふと耳を澄ましてみると、どこからか滝のながれる音がする。どうやらここは川の中州辺りのようだ。


 「ゆかり!ゆかり!」


 突然声のしたほうを向けばそこにはさきほどのマオという女性がゆかりに泣きついている。暗くてよく見えないがよく見ると髪は濡れており、衣服はずぶぬれだ。


 二人の表情はさきほどとは、うって変わってゆかりは苦々しい表情を浮かべ、マオは涙をながし辛そうに顔をゆがませている。


 マオは何度もゆかりの名前を呼ぶだけでどうしてそんなにも泣いているのか、どうしてゆかりはそんなにも悲しそうな表情を浮かべているのかまったくわからない。


 ただ二人の体から水滴ではなく何か赤黒い物もながれているのが見えたようなきがした。



 また視界が一瞬にして切り替わる。


 私はテレビかなにかの取材スタッフのようだ。重い撮影用の機材を持ちながら山の中を歩いている。しばらく歩いていると民家が現れ、そこからもう80を過ぎたであろうお婆さんが出てくる。


 どうやら今回の取材はこのお婆さんと一緒らしい。お婆さんは優しそうな顔をした人で、犬を1匹飼っているらしい。

まずは庭を案内してくれるようだ。お婆さんは庭で家庭菜園をしているらしい、とれたてのトマトを私に渡してくる。


 「どう?美味しいでしょう?」


 お婆さんはにっこりとした笑顔でいう。


 「美味しいです。」


 私はぎこちない笑顔で答える。


 「ちなみにこのトマトみたいに熟れすぎたのは犬の餌にしてるんだよ」


 お婆さんはちぎったトマトを持ったまま、ふと茂みの方を向いた。


 「ゆかりー!」


 その言葉が犬を呼んでいるのだというのは理解していた。しかし私の本能はその言葉に過剰に反応し不安から一歩お婆さんから遠ざかった。


 ガサゴソと茂みから音がする、その音が何故か怖くなり私は逃げ出しそうになる。

なにかが来る!そう思った瞬間茂みからなにかが飛び出しお婆さんに飛び掛る。


 飛び出して来たのはやはり犬ではなく...『白髪の化け物のような風貌の老婆だった』


 「ゆかり...」

 

 老婆はそうつぶやくとお婆さんの上にまたがったままこちらを向く。


 驚きと恐怖でとっさに体を動かせないでいると、お婆さんのようすがおかしいことに気づく。


 「「ゆかり...」」


 増えている...一瞬にして化け物ような老婆へと姿を変えたお婆さんを見て私は全力で走り出す。


 私はあの化け物がいったい何者なのかわからない、だが『あれ』だけには絶対に捕まってはいけない。



随分と走った。

そろそろ振り切ることが出来ただろうか。そう思い後ろを振り返った時。


化け物は居た、すぐそこに。



私はまた視界が一瞬にして切り替わるのを感じた。



次に私が見た光景は森の中、二人の老婆が「ゆかり...」とつぶやいている姿だった。


私はいつのまにか目線が低くなっていることに気が付いた。

自分の体が縮んでしまったかのような妙な感覚に陥った私はふと自分の手を見た。

いや、見てしまったのだ、しわだらけのまるで『老婆』のような自分の手を。


「ゆかり...」


今の声はいったい誰のものだったのだろうか。

もしかすると私はもう。


正直この夢めっちゃ怖かったです。起きたとき心臓バクバクでした。

次はもう少し心臓にやさしい夢を見てそれを小説にしたいです...


最後まで見てくれてありがとう。

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