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番外編 「友情DAYS」 5


 問いただされた時間は一瞬だったのか、それとも長時間だったのか。


 俺は正直覚えていなかった。いや、とにかく必死だったのだ。彼女を、西村咲を助けようと必死だったがためにその時の話は何も覚えていなかった。


 後から聞くと数時間は生徒指導室で尋問されたらしいがあまり記憶は残っていなかった。極めつけにはその記憶どころかその日全部の記憶が根こそぎ無くなっていたのだ。


 だから、今話したのもあとから柚人や西島、四葉から聞いたものである。


 こっちが心配していたのに教室へ荷物を取りに戻ると待っていた西島に逆に心配されるという状況。帰ってきたときにはかなり心配され、そのためか表情もかなり抜け落ちていたらしく、直ぐに帰って寝たと言っていた。


「——んでよ、西島は覚えているのか、その頃?」


 俺は訊いた。


「あぁ……まあ、なんとなくね? ちょっとトラウマ気味だし思い出したくもないけれど……あいつ、まじで殺〇たいもん」


「だそうだなぁ、お前……あの後ヤバかったらしいしな」


「ええ、あんたが馬鹿みたいに弱って帰っちゃったから事後処理は私がしたんだしね~~まったく、《《転校》》って……さすがにないわよね」


 そう、隣にいる西島を殴った上級生をさらに殴ってしまった俺は転校する羽目になってしまったのだ。


 私立でもない、公立の小学校でそんな処理をされたのだ。当時でさえもかなり問題になる話だが、鞭で蒙昧な俺たちにはどうしようもできなかったわけだ。


「それで……お前があいつにされたこと聞いたときはビビったよ」


「……ねえ」


「ああ、ごめんっ——タブーだったな」


「ほんと、しっかりしてよね? 私まじで怖かったんだし、あの頃、どうにかなってたもん」


「うぅん、あの頃って言うか——転校してからだよなおかしくなったのも」


「あ? 私のどこがおかしいの??」


「おい、自覚がないとは大層だなぁ、あんなことまでして……だいたいおかしいなんて話じゃなかったぞ? 小学生だからよかったが、結局中学には警察沙汰になっていただろうが」


「そんなの知らな――い、私そんなことやってな——い」


「こいつ……」


 思い出というか、なんというか……地獄の記憶的な何かに(まあ覚えてないんだけど)俺は集中していたらしく、持っていたタピオカジュースはヤバいくらいにぬるくなっていた。


「……まず」


「ははっ、だって誠也飲まないじゃん」


「しかたねえだろ、昔の話思い出そうと必死だったんだから」


「ふぅ~~ん……まあ、結局私を操作してたあの男が糸を引いてたらしいしね。なんかこう、私たちが悪者だったって言うことにしてさ」


「らしいな、ひどいわ、あの糞男……てかさ、大人も——悪いと思うけどな?」


「まあね、私たちの話なんてそっちのけであいつの話ばっかり聞くし、まあ……相手が頭のおかしな教育委員会の父を持った奴だったから、その時点でさ、もうこっちにはどうしようもなかったけどね」


「くそ……」


 ——彼女が言ったことは隅から隅々まで事実だった。


 未だ明るみに出ていない未解決事件でもあり、俺もどうにか訴えようとしたがあまりのショックに西島は思い出してくないと言ってそれを実行しようとはしなかった。


 胸糞の悪い、最悪な別れがあの壮絶な事件だったのだ。


「まあ、あれがきっかけで俺たちの関係も終わったしな」


「——そうね、柚人くんも四葉ちゃんもすっかり覚えてないらしいしね」






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