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番外編 「友情DAYS」 1

 さぁて、告白の途中からはまさかの短編ですが、割とここからの話も重要ですよ?

 肯定の————それより一時間前。


 札幌駅から徒歩五分ほどの場所にある大通公園で、俺たち二人は間を開けて座っていた。


「————疲れたなぁ」


「——そう?」


 近くのタピオカ専門店で買ったキャラメルバナナ味のタピオカジュースを手に持つ俺の隣には、同じく抹茶ミルク味のタピオカジュースを買った西島咲が座っていた。


 ギロッと隣を睨んだが————ニコッと返したのは西島で全く意図を分かっていないらしい。


 おかげで周りの人が入り込めない不思議な空間が出来ていた。


「——もちろんね、あいつらの押しが弱すぎてな……」


 そう、俺は意外にもこれまで裏で柚人と四葉がくっつかないか思案していたのだ。変に演技して少し警戒されるかと思ったが別にそう言うことはなく、ただあの二人が鈍いことだけは分かった。


「——いつの間に、そんなことしてたのよ」


 スゥ―ッと抜けた笑顔の先に見えた真顔に表情を染めて、西島は淡々と言った。


「——どうだろうね」


「——教えなさいよ」


「——はっ、誰が」


「誰がってあなたがよ」


「あなた? YOU? どこの誰だが……?」


「あああ~~そうやって……めんどくさいなぁ……誠也は……」


「こっちの台詞だね」


「じゃ、もうそろそろいいでしょ?」


 絶対に嫌だね、と答えた俺の隣で頬を膨らませる現役JK。まるで甘酸っぱい青春の真ん中にいるかのような俺たち高校生二人の関係性は歪なものである。


 この危険人物を俺だけに任せるのは正直、重荷が過ぎるのだがな。


「まあ……久々に見た二人があそこまで遠い感じ出されると、なんか嫌なんだよ……無論、俺のわがままだけどな」


「久々……?」


 不意に言った真意——いや、それに近いものに西島は疑問を浮かべた。


「ああ……ただ、あんまり言いたくはないな」


「へぇ……」


 警戒の色を顔に浮かべると彼女はタピオカへ視線を戻すし、口角が少し上がる。


「——っち、企んでんじゃねえぞ」


「……別に、自由でしょ?」


「そんな自由は俺が許さない」


「権利の侵害よ」


「どうかな、他人に迷惑をかけるのなら権利なんてなくなるんだぞ」


「甘いわね……」


 ——しかし、今度は確実に笑っていた。

 

「っち……ニヤニヤすんな、犯罪者」


 俺の言葉の後、彼女は何も言わなかった。無機質に流れる噴水の音だけが周囲に響き、余計に雰囲気が変になった。


「何……なんで顔を顰めているのよ?」


「お前がニヤニヤしてるからだよ」


「あら、それは被害妄想ね~~」


「っち。そうやって、いつまでも引きづって、今度は誰に手をだすんだか」


「どうでしょうね?」


「……ただ、それがあいつらだったら俺は絶対に許さない……」


「知った口を言うじゃない? そんなに仲も深くないくせに……一年でしょ、たった」


 彼女が吐き捨てた小さき言葉は本当の意味で地べたに転がった。夕方のこの時間、人通りも増えてきた道のベンチに座っていれば声なんて掻き消されていく。


「なんだって?」


「なんでもないわよ」


 不服そうな表情を見せた西島に嫌悪感を抱くのはこれまでの経緯を知っている彼だけだった。



 こんな奴の昔を知っているなんて、本当に迷惑だ。


 俺がこのクラスになったのも監視役として、まったく……。教育委員会が聞いてあきれる。いくら警察官の息子だからってそんなことしてはいけないはずだ。



 前沢は隣に気を配りつつ、久々に思い出した。胸の内のさらに奥、そんな思い出などないと思いたかった変な記憶を辿って、そんな出会いに導かれて、見つかったのはとある思い出。




 幼稚園——四人が初めて揃ったのはこの頃だったのだ。


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