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第十話 「愛を叫ぶのはまだ早い?」2

長い休載失礼しました……また毎日投稿していくのでよろしくお願いします!


 二日目は微妙で、三日目は上手くいき、そして中間試験最後の今日。

 いつも通りに四葉と登校している最中、あんなにも詰め込んだ現代社会を頭の中で並べながら考えているとふと、あることに気が付いた。


「あ、そう言えば四葉さ」


「?」


「文芸部のあれって、今日すぐにある感じなの?」


「えっと、ぉ、あれって……あぁ、あるんじゃないですか、たぶん……?」


「だよなぁ、どうしよ、真面目にそれどころじゃなかったしなぁ」


 あんな小説書きましょう大会などこの試験に比べればちゃちでどうでもいいものだが、部活が部活だ。昨日までは次の日のために徹夜も構わずに試験勉強に励んでいたが、しかし今日は違う。


 試験終了の合図であるチャイムとともにすべての部活が再スタートしてしまうのだ。


「それで、四葉は書いたのか?」


「……」

 

 無言になる四葉から察して、おそらく彼女も書いていないだろう。


 いや、むしろそれが普通なまである。正直今日まではテスト、人生というか、受験も関わってくるのかもしれない試験なのだ。ここで書いてる方がおかしい、そう口に出そうとしたとき。


「……書きました」


「だよな、四葉も書いt……え、なんて言った?」


「小説書きました」


「まじ?」


 思わず疑ってしまった。


 たしかに、勉強が苦手の四葉からしてみればそうすることが息抜きになるのかもしれないが……彼女は小説は書かないと言っていたじゃないか。


「まじです……」


「え、でもだって、四葉って小説書きたくはないって言ってたし、なんで今回は……」


「詩音先輩にどうしてもと懇願されたので、昨日の夜に電話で」


「あぁ、だから昨日の夜騒がしかったのか……ん?」


「ん?」


「あれって、昨日だよな」


「は、い。そうですけど……」


「ってことは、もう仕上げたのか……小説?」


 コクリと頷いた彼女、その姿を見てやはり才能であると悟ってしまった瞬間だった。



「ふぅ‼‼ おわった~~~~‼‼」


 僕の目の前に座る前沢誠也を筆頭にクラス中の生徒は安堵の息を漏らしていった。さすがにとなりの西島咲の様子を感じながら解いていくのにいつも以上にストレスとプレッシャーを感じたのだが、なかなかどうして、当の本人には全くの害はなかったらしい。


「ねぇ、またやってたの?」


「なにが?」


「その、カリカリするやつ……私、そんなんじゃ怯まないよ?」


「じゃあ、何したらいいんだよ……」


 そんな余裕の笑みの前に、いつも必死な僕の為す術はなかった。しかし——、というよりは、このカリカリ攻撃は西島咲にではなく、左隣に座る四葉に牙をむいていた。


「ゆずとはひどいですよ」


「え?」


「そのあれ、咲ちゃんにやっているようですけど、四葉の方が……その、怖かったって言うか、あの、もう、やめてくださいよっ」


 じゃあなんで、最初から言わなかったのかと突っ込みたくなる衝動を抑えてすまんと謝ると、彼女は優しくすぐに許してくれた。


「じゃ、さっさと掃除して帰りますか」


「ああ、僕は部活だけどなぁ」


「そりゃあ、存分に」


 前沢の腹の立つ声に見送られ、僕と四葉は椎奈の要る教室へ足を運ぶことにした。

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