第2話 全校集会襲撃開始
新キャラ登場です
行の最初一文字あけるようにしました。見やすくなっているといいのですが、、、
作戦の詳細を話そう。
まず、この学校は一学年8クラス。全校集会時は体育館に集合し、北側のステージ向きにクラスごと1列に並ぶ。俺は2年5組だからだいたい中央付近に位置する。
今回の全校集会は文化祭が終わったから、生徒会の引き継ぎが行われる予定だ。そのため多少の人が並びからいなくなるが、大きな差はない。
神野は俺からみて右斜め前方向、中央付近とは少しずれる。零先輩は8組と言っていたので左端にいる。この配置はいつもどおりという前提だが。
彼女が自信満々に話した計画では、第一に体育館の管理室に電灯係を送り、合図とともに消灯。このタイミングは校長がステージ上にあがってからだ。
混乱が起こった生徒達を静かにするため、どちらかというと放送を聞かせるために、生徒の中心から静かにするよう声をかける。
すぐに校長先生からとして事情の説明をしていただく。するとステージだけに明かりがつく。そこで誰かが校長を噛み殺してエンドだ。
大層な演出だと思う。
総動員数は限りなく少ないのに、一度混乱させてから安心させ、安心の象徴である者を消すときた。なんか不安よりも楽しみが上回ってきてしまった。よくない影響を受けているみたいだ。
実行前日の寝つきはとても悪かった。
───
実行当日。12:40
全校集会は午後1時から開始される。それぞれのクラスが入場を始めたあたりだ。俺も自分のクラスに並び待機している。
今日運営とかやってる人は、とてつもなく不運なやつなんだろうな。可哀想に。
「翔、なに笑ってんだ?」
「いや、なんでもない」
どうやら歪んだ顔をしていたらしい。ここで勘づかれては零先輩に顔がたたない。あの人なら全員が知っていても決行しそうだが。
「あっ、清水さんといいことがあったんだな。羨ましいやつめ」
前の中村がずっと話しかけてきている。悪いやつじゃないし話も合うので結構仲がいい。
「そういうのじゃないって」
驚くほどに進展がない。彼女のほうから言われ付き合ってる状態(?)だったはずだが、会話する機会さえ他のクラスメイトと変わらないだろう。
チラッと数人前の凜華が見えたが、聞こえてはなさそうだ。前を向いて静かに佇んでいた。いつも誰かと話している彼女だから、少し珍しい光景だったのかもしれない。整列してる時は話さないのが普通かな。
「前いったぞ」
「お、すまん」
後ろをずっと向いているから指摘した。前に向き直し、少し空いた距離をつめる。動作が軽やかだ。流石、運動部。
───
体育館に着いてからしばらく経ち、全校集会の形が整う。神野の姿をみようとしたが確認できない。逆に今確認できたら問題だ。
放送が入り開会の挨拶が終わる。そして校長がステージにあがった。
「ギャー」
何処からか悲鳴が聞こえてくる。若干ドスがきいてるな。
ただちに証明が消える。管理室は密閉空間なのによく聞こえたな。あいつ曰く
『僕はテスト中につい口からでてしまった声を汲み取るのに全力を注いでいる』
からだと言う。もっと別のことを努力して欲しい。そんな声なんてそうそうでないと思う。
そんな考え事をしていたら周りを見てなかった。とてつもなくうるさいな。声がそこら中から発せられ、反響しまくってどの声も聞き取れない。
「みんな、一回静かにしましょう!」
俺の声も簡単に打ち消される。一番簡単な仕事だと思って楽しむ気すら、いや楽しむ気しかなかったがこの状況不味いな。俺の声も騒音の一つになってしまう。
「おーい!静かにしようぜ」
中村、頼りになる男だ。そして声が通る。
何回か呼び掛けると少しだけ騒音が減った。その時、ステージだけがスポットライトに照らされる。
零先輩、気が早すぎる。ベタな幽霊の衣装に身を包み、すでに校長の真後ろにいる。
「やめてくれ、わたしはまだ死にたくない」
校長:後ろに気配を感じ振り向く、
そこいる相手の異色に圧倒され命乞い。
という完璧な迫真演技だ。少々違和感があるがご愛嬌だろう。
「ガ・ブ・リ」
零先輩、マイクに向かってそれ言うんですか。本当に天然なんですか?
「そこまでだ。これ以上の悪行ボクは許せない」
ステージにかけあがった一人の女子生徒。倒れた校長を挟み零先輩と対峙する。
彼女は新生徒会長、羽衣石楓が茶番劇に乱入していた。
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