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prologue
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シヴァ帝国はどんな国か?
そんな質問をこの世界のものにしたのなら大抵は「魔法と科学兵器の国」、「戦争好きが治める独裁国家」などの声が聞こえてくるだろう。
その帝国領地の西端に存在するヴェルファー洞窟。「戦争好き」からの命令で探索を続ける数人の帝国兵団と魔法を研究する者「魔導家」数人がそこにいた。
――素晴らしい結晶石だ……
――これで我が国は負けることはない!
――これほどの……
――だが、いつの時代のものだ
――待て、これは……?
――そんなバカな……!
声が、聞こえる
眩い光が暗闇を満たした。
入り組んだ洞窟の中、自然には起きない光を感じ命あるものは光の中心から逃げるように離れていった。
闇を光に変えた一瞬の眩さのあと
……声は、聞こえなくなった