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序章
「現代が作り出した幻想、夢。我々のロマン。そう、それは異世界転生。」
だが、世の中に異世界転生など存在はしない。
存在しないはずだったのだが…
彼の名前は佐藤裕太。この現代に何万といる社畜。
そしてこの物語の主人公。
唯一の癒しは小説や漫画を読み漁るくらい。
なんといってもこじらせているのだ。中二病を。
「はあー。俺も異世界に転生してぇなあ。こう、出してみてぇよ。右手から地獄の炎を。もうこんな時間か。ふぁーあ。眠るかあ。」
「ふふ。彼に決めたよ。では存分にこじらせて貰おうか、その中二病を…。」
彼には聞こえたのだろうか。神のイタズラな囁きを。
これはありふれている異世界転生で中二病をこじらせる物語。