3.自分のステータスに絶望する
「すいませんこの村に入りたいんですが…」
とりあえず門番が立っていたので話しかけて見る。ちなみに門番といっても武装をして立っているわけでもなくただの村人が見回りに立っているだけなのだが……
「身分を証明するものを見せてくれるか?」
と、門番らしき人は言うが……
(やべぇ俺何も持ってないよ、死ぬ前に持っていた高校の鞄は何故か持ってるけど、こう言う時って身分証明書ないとお金取られるんだよなぁ…どうしよう)
「すいません魔物に襲われて取られてしまったのですが……」
「なんだよそう言うことか分かったとりあえずこの水晶に触れてくれるか、犯罪歴があるか調べるものだ」
(そんな便利そうなものがこんな小さい村にあるのか、とりあえず犯罪歴はないと思うが……)
水晶に触れた瞬間水晶が白く輝いた、
「よし、犯罪歴はないな、入っていいぞ〜、とりあえず冒険者ギルドにでもいって身分証明書をもらって来たらいいと思うぞ。」
「ご親切にどうも!」
(親切な人だったな、身分証明書をどこで取ればいいかも教えてくれたしこの村の人はいい人が多いのかなぁ)
「冒険者ギルド♪、冒険者ギルド〜」
冒険者ギルドといえば新人潰しっていう定番のアレがあるよな。もし来たら返り討ちにしてやるぜ!
それにしてもどの建物が冒険者ギルドだ?あ、あった小さい木造りの建物が多い中で一つだけでかい建物があるアレに違いない。とりあえず身分証明書を貰おう
「すいませーん」
冒険者ギルドの中は質素な作りになっていた、何個かカウンターが置いてあり掲示板があり、酒を飲むためのスペースらしきものがあったとりあえず身分証明書を発行して貰おうとカウンターに近づく、
「今日はどのようなご用件で?」
「…………」
男だった、そう何故そんなに冒険者ギルドを楽しみにしていたのかというと可愛い受付嬢に会うためでもあった。
あわよくば仲良くなりたいとさえ思っていた……しかし、それ以前に男だった……しかも筋肉ダルマのような男が3,4人カウンターに立っているのだ、そりゃこんなに小さな村だから可愛い人を雇う金がないのかもしれないが……
「お客さん冷やかしですけぇ?それでしたら帰ってもらえませんかこちらも今昼時で忙しいんで…」
「あ、すいません身分証明書を無くしてしまって新しく発行をお願いしたくて来ました」
「なんだそういうことか、少し奥に来てもらえるかな」
お、奥に連れ込むなんて俺そんな趣味ないよ……
「おいお前今変なこと考えなかったか?再発行するために少しばかりステータスを見たいんだよ」
「い、いえー僕は何も考えてませんよあはははは。」
筋肉ダルマに連れていかれた先には先ほど門を通る時に見た水晶よりも少し大きい水晶が置いてある部屋だった。
「ここに手をかざしてくれ」
言われた通り手をかざすと、水晶が光り目の前にステータスボード?らしきものが浮かび上がってきた。
「どれどれ」
ユーキ 18歳 男
種族人間
レベル1
職業村人
体力30
筋力30
防御30
魔力30
魔防30
敏捷30
スキルなし
「うむ、問題はなさそうだなどうだ身分証明書は明日までに作っておくから今日はもう帰ってくれてもいいぞ」
「あ、ああ分かった」
俺は静かに冒険者ギルドの扉を開け外に出た……
そして
「なんでステータス低いままなんだよ!しかも謎だった職業初っ端から村人で明らかになっちゃったし転生ものって神様がチートくれるもんじゃないのかよー確かにくれるとはいってないけどそれはないだろうーこんなんでどうやってこの世界を救えっていうんだよ。」
冒険者ギルドの前で座りこけ時間だけがただ経っていき絶望に浸っていた俺に
「お、ユーキじゃねーか無事町に帰れたみたいだな」
と、先ほど知り合ったガウェインが声をかけてくる
「あーガウェインかお前こそゴブリンはどうなったんだよ、」
「余裕余裕あんなの俺たちの敵じゃないぜ!ところでお前なんでそんなとこに座ってんだ?」
「お恥ずかしながら……」
町に来たのはいいがお金がなく住む家も食料もないことを告げた
「おう、なんだそんなことかだったら俺が止まってる宿に来るか?」
「い、いいのか?」
「おう、ちょっと待ってなゴブリンのことを報告に行って来る」
ガウェインなんて男前なんだ!ガウェインにならだかれてもいいな
数分後…
「よし一緒に宿に行こう。」
「あれユーリは?」
「あいつなら先に宿に戻ったぞ、早くシャワーを浴びたいらしいからな」
「な、なるほど」
どこの世界でも女の人はそういうものなのだろうか……
そしてガウェインに連れてこられた宿は中々に大きかった…
「本当に止めてもらっていいのか?」
「もちろん、俺とユーキの仲だからな」
(会って1日も立っていないのだが……)
とりあえず今日の寝る場所は確保できたとりあえずこれからどう生活して行くべきかを考えて行くとしよう