2.ゴブリン初遭遇
「いててて…、神様急に飛ばすんだから…」
ここはどこだ見渡す限り木しかないんだけど何処かの森の中なのか?
何処に飛ばすとか、この世界がどうとかって…もうちょっと神様何か教えてくれてもいいんじゃないの?
今度会ったら一発ぶん殴ってやる……
そんなことを考えながら歩くこと1時間……
本当にここ異世界なのか?ひたすら森なんだか…これは……俺にどうしろというんだ!?
さらに2時間…
「はぁはぁ、もう歩けない、普段から運動なんて体育でしかやってこなかったから、…………もうだめだぁ」
結城は歩き疲れて木にもたれかかりそのまま眠ってしまった。
「ブゴ、ブゴ、ブギャ!?」
うーん誰かに声をかけられている気がする
「うーん、母ちゃんあと10分寝かせてぇ、」
ん?ちょっと待てよ、俺異世界に来たはずだし母ちゃんは居るわけがないそれに手が動ないし、なんだこれ?誰かに運ばれている?
「や、やめろ!?」
「ブギャ、ブギャ」
なんだこいつ人間じゃない!?
見たところ転生ものによく出てくるあのゴブリンのような化け物はこちらが起きたのに気づいたようでもう一度眠らせようと手に持った棍棒でなぐりつけようとしてくる。
(ふふん、俺を舐めてもらっては困る、こちとら異世界から転生して来たんだぞ!お前みたいなゴブリン風情に負ける俺ではないぞ!ほらこの縄だって一瞬で…………解けない!?)
「ぐへぇ」
棍棒で殴りつけられてしまったせいで変な声が出てしまった、
「こんなはずじゃ、……」
薄れゆく意識の中で結城は呟いた
「おい、おいお前大丈夫か?」
(誰だよ俺に声をかけるやつは)
「よかった大丈夫みたいだな、おーいこっちは大丈夫だったぞ〜」
(うう、頭がいたい俺どうなったんだっけ……あ、そうだ)
「ゴブリンは!?」
「あーそいつらなら俺らが片付けたぞ!、危ないところだったな。」
見るからに戦士のような男が声をかけてくる。すごい装備だななんかフルプレートの装備だけど重くないのかな?
「よかった〜無事で私たちゴブリン討伐の依頼を受けて来たんですけど、人が運び込まれそうになっているのを見て急いで駆けつけて来たんです。」
と、可愛らしい杖を持った女の子がそう言う。ちなみにこの子は金髪で改めて異世界に来たんだなぁと実感する。
「お前らが助けてくれたのか…感謝する。」
「いいってことよ、人を助けるのが冒険者の仕事だからな!」
「おっと、自己紹介がまだだったな俺の名前は小鳥遊 結城、君たちは?」
「俺はガウェイン、一応これでも戦士をやらせてもらってる(一応と言っているがガウェインは筋骨隆々で明らかない戦士にしか見えないのだが……)、そしてこっちが」
「どうも、ユーリです魔術師ですガウェインと二人でパーティを組んでいます!まだまだランクは低いですが将来はガウェインと一緒にSランク冒険者になってみせます!」
と二人が自己紹介する
「よろしくなユーキ!」
「こちらこそ!」
「ところでなんだ、ユーキは見たところ冒険者ではないよな村人のような格好をしているしもしかして薬草を取りに来ている途中で襲われたのか?」
「ま、まあそんなところだ」
(道に迷っていただけなんて口が裂けても言えない……)
「すまないガウェイン、ゴブリンに襲われてしまったショックで記憶が混乱しているみたいなんだ、帰り道を忘れてしまって教えてくれないか?」
「おう、まあ死の危険を隣に感じたらそういうこともあるよな、帰り道はあっちだ!」
「ちょっと、ガウェインさんそっちは違いますよこっちです! もうしっかりしてくださいよねこれだから方向音痴は……」
「がははははは、ユーリが言うなら多分そっちだ。俺は、何故かこっちだと思う方向に帰るといつも違う場所に出るからな」
(おいおい本当にあってるんだろうな…道を聞く立場の俺はなんと身言えないが)
「ありがとう助かったよ君たちに会えなかったらここで野垂れ死ぬところだったまたどこかで会えたら何か奢らせてくれよ!」
「おう、俺らはこれからゴブリンの巣に向かうが、またゴブリンに襲われて巣に運び込まれてくるなよ!」
「分かっとるわ!お前こそ道に迷うなよ」
「ほんじゃ気をつけような、お互い」
お互い気が合ってちょっとの間しか一緒にいられなかったが冗談を交えられるぐらいには仲良くなれた…と思う。
それがのちに勇者となるガウェインとユーリとの出会いだったがそれはまた別の話
「確かこっちの道ってガウェインたちは言っていたが……お、あれか?なんか思ってたのと……異世界と言ったら城下町かと思ってたけどこれじゃ、まるで……」
うん、遠くから見てあんまり大きくはないと思ってたけどこれはあれだな、うん村だ……しかも定番の襲われている女の子もいなかったし……ここは襲われている女の子を助けてフラグ建てるパターンだろ!?
まあ俺がゴブリンを倒せるかすら分からないけど……
まあとりあえず村に入って見るかな!