第2話 その時は突然に
自分の部屋に入るとその変化にすぐに気づいた。
「あれ、部屋に何にもものないんだけど...」
きっとババァのせいだと思い、俺はすぐに台所へと向かった。
「おい、部屋にもの何もねーんだけど、勝手に片付けんなよ」
いつもならそっけない返事が返ってくるはずだった...でもやはり今日は違った。
「ごめんなさい、でも、荷物はもうまとめちゃったから」
まるでお天気アナウンサーのようにニコニコしながら話してくる。若いのなら可愛いのだろうがババァがっても正直怖いだけだ。
「はぁ...」
「あら、どうしたのため息なんてついて、お父さんも帰って来たからごはんにしましょ」
ふふ ふふ ふふ
「飯食ってる時くらい静かにできねーのかよ、いつものはどうした?俺と飯食ってる時の顔、死んだ魚の目しながら食ってるじゃねーかよ」
「あら、お父さん」
「こら、咲夜そんな言葉使いはダメだぞ、誰かになおしてもらわないとな」
そういうと、2人は顔を合わせて笑っていた
これは夢なのか?だったらいつから夢なのか
「ところで、咲夜」
「なんだよババァ」
「あなた、学校たのしい?」
「まぁまぁだよ」
「そう、なら今日は早く寝なさい。明日から転入の準備で忙しくなるわよ」
「はいはい...っえ?いまなんて言った?」
「だから早く寝なさい」
「いや、その後よ」
「ああ、明日から転入の準備で忙しくなるわよ」
俺の人生はこの時から変わっていったのだ...