筑波弘幸
「弘幸さんって、どんな友達がいるんスか?」
俺は気になって気になって仕方なかった。
影の番長と謳われ、近隣の総番長とも面識がある人だ。
放課後の教室でこんな事話すのも、たまには悪くない。
「知っても得する事ないよ……?」
「イイじゃん。教えてやんなよ」
タバコを口に持って行き、ジジッと吸いながら早苗も隣から言ってくれる。
ミー子も『気になる……』と俺の隣でズイッと身を乗り出した。
ランドセルを背負ったレイチェルは俺の頭の上で脳天をぺしぺし叩いてくる。
「……それなら言うけど、ドン引きしないでくれよ?」
俺とミー子は同時に頭を縦に振った。
「片腕が無くなってから、もうずっと会ってないけど……会おうと思えばすぐに呼び出せるよ。すぐ壁を壊すし、落ちている金を盗む(拾得物横領罪)。弱い者を踏みつけたりいじめたりする上に、不法侵入も毎度の事」
……え?
「条件さえ合えば火をつけるし、車からゴミを投げ捨る。車の速度超過は当たり前」
な、なんか凄い人だね、とミー子が目で訴えてくる。
「兄弟揃ってDQN。周りの人もDQN。よくキノコを食べてラリってるし、貴重な生き物の背中に乗り、用が済めば捨てる」
き、貴重な生き物だと!? それってまさか、女か!? 俺がまだミー子と早苗にムフフな妄想しかやった事ないのに……!! もう既に実行に移してる奴がいるのか!?
って、背中の上に乗る……? 一体どんなプレイなんだ……? 征服感を満たしてるのか?
「貴重な生き物を子供のうちから見捨てる場合もある」
れ、レイチェルくらいの年齢の子を……!? おのれ、なんて奴だ。子供作ったはいいが育児放棄かよ!! そんなんだから、無垢な子供が可哀想な目に遭うんだ。
「その人は、他人に星を食べさせれば栄養があると思ってるよ」
……星? さすがにラリってるだけはあるな……
「なんだ、アイツの事か。司くんの事じゃねえの?」
「早苗も知り合いなのか!?」
ていうか司くんって誰……
「あぁ、アイツは色々と有名人だからな」
「ボクもその人のこと、しってるよ」
頭の上から声が聞こえた。
れ、レイチェルまで知ってんのか!? この辺りでは相当なDQNなんだな……。広島から戻ってきたばっかりだってのに、そんな人物が幅利かせてるなんて……
「ぁ……私もその人に会った事あるかも……」
ミー子も突然口を挟む。
「んな、なんだって!? 乱暴されなかったか!?」
「アイツはそんな事だけはしねえよ。アタシが保障する」
早苗が保障するって……一体どんだけスゲー奴なんだよ……?
「むしろ、結構面白い奴だぜ? 帰ったらウチ来いよ。呼び出してやるから」
タバコをくわえたまんま、早苗はニッと笑った。
「やすしは会ったことないの?」
会った事……ねーな。そんなワルだったら、俺も一戦交えた事あるだろうし……
「配管工のお仕事やってる人だよね?」
な、なんでそんなに詳しいんだよ、ミー子……
「その人は、実は外国人なんだ」
これ以上外人の友達がいるのか!? 弘幸さん!!
「名前はマリオ」
「ゲームかよ!!」
――――――――
18歳。
まるで、こうなる事があらかじめ予測されていたかのように、父から剣術を教わる。
片腕を野人に斬り落されて以来、剣の腕は上達する一方だ。
たびたび浴衣姿で現れるが、これは彼の戦闘服の一種。満月の夜にまた逢いましょう編では着てない。
実はこの浴衣は暗器が数個仕込まれていたりする。
なにが出るかはお楽しみ(?)




