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白髪異世界物語  作者: オキシゲドン
2/2

魔法とパーティー

どうも!前回を読んで頂いた方はありがとうございます!


本編です

翌日、昼に俺は再び父さんの部屋へと呼び出された。

朝には何も無かったので昨日の事を整理する事が出来た。赤…つまり火の精霊を取り込んだら髪が赤になった。それはつまり、火魔法を使える状態になったという事だろう。なら、俺は一度には無理だが、全ての魔法を使えるのではないか?

そんな事を考えていると、アデーレが部屋にやってきて父さんの部屋に連れて行かれた。


「お前に重要な話しがある」


そこには、クレマンさんの姿もあった。


「お前の好きな属性を言ってみろ」


父さんはいきなりそう切り出した。唐突な質問だったが、父さんの顔は真剣そのものだった。なので俺は正直に言った。


「風属性です」


「そうか、お前の目には緑色の精霊も見えているのか?」


「はい」


こんな問答になんの意味があるのか。そう聞こうとした時に、父さんは衝撃的な事を言った。


「ではいまから人前で風属性以外の魔法は使うな。分かったな?」


「…は?」


すべての魔法が使えるというアドバンテージがあるのに何故それを封印する必要があるのだろう?


「クラウ、ここからは私が」


クレマンさんがそう言って前に出て来た。ちなみにクラウとは父さんの名前だ。


「いいかい、普通の人は一つの属性しか使えないんだ。」


まず始めにそういってくるクレマンさん。


「精霊が複数見えるなんて事もない」


そうだったのか。じゃあこれは全部俺の精霊という事なのか…?

いまさらながら自分の特異さに気付く。だが話しはそれだけではなかった。


「そして、器の大きさがその子の魔力の強さを表すと言われている。私が見た事ある物で最大の物は手のひらに乗る位の大きさだった」


『だった』という所に不安を感じる。それに俺の見た器の大きさは確か…。


「昨日見た器の大きさは両手で持たないといけない位大きかった」


俺は、驚きよりもまず恐怖を感じた。俺にそんなに大きな力があると知ったからだ

。急に回りに無邪気に浮かんでいる精霊が恐ろしいものに見えて来た。


「だが安心して欲しい。器の大きさは魔法の強さには関係ないし、使う精霊を一つに絞れば関係ない事だ」


諭すように語りかけてくるクレマンさん。全属性使いたいのはやまやまだが、そういう理由なら仕方ない。自分で属性を選べるだけ普通の人より良いんだ。それに全属性を練習すると、器用貧乏になって結局弱くなってしまうだろう。


「そんなに残念そうにしないで下さい。風属性以外も教えますので」


え?教えてくれるのか?てっきりそれ以外は練習すらさせてくれないと思っていたのに。


「全属性は無理ですが、水属性はアデーレさん。火属性はクラウ。光属性はわたし。風属性は教師を招きましょう」


「あ、ありがとう」


「可愛い息子の為だ。その代わり、父さんの言う事はまもるように、いいね?」


「はい!」


前世で読んだ小説だと、このまま家追い出されたりしてるのもあったから一安心だ。


「じゃあ、この場で風属性になるんだ」


「やってみます」


周りを見渡して、緑色の精霊がいる場所まで移動して手で触れる。するとやはり手の中に吸い込まれて行った。自分では特に変化を感じないのだが、父さんが頷いているので成功したのだろう。内心ホッとしていると、父さんが声を掛けて来た。


「では、今日はアデーレに魔法の基礎を教えてもらうと良い」


「かしこまりました」


俺はまたしてもアデーレに手を掴まれて強制連行させられた。


★☆★☆


訓練場


「ではまず、魔力について説明いたします」


訓練場について、アデーレはまずそう切り出した。


「魔力とは、空気の一種とお考え下さい」


アデーレは手を前に出しながら話しを続ける。


「精霊言語は覚えていらっしゃいますね?まずは初級のボールからやってみましょう」


俺はデーレのマネをして手を突き出す。そのとき、精霊に触れて水属性になってしまったが、ここには俺とアデーレだけだし問題ないだろう。


『水、玉、飛』


アデーレがそう唱えると、手の前に水の玉が出来て飛んで行った。


「今度はアーロン様の番です。って風属性から変わっちゃってますよ?」


「手に触れると変わっちゃうから難しいんだ」


これではろくに動き回ることもできない。どうしたらいいか…


「すいません、重要な事を言い忘れていました。自分の精霊は自分の意志である程度動かせますので、『離れていて』と思えば離れてくれます」


試しに全員を離れさせてから、水色の精霊を呼ぶと、一匹だけ俺の手に吸い込まれた。


「どうやら出来た様ですね。では今度は魔法を使ってみましょう。精霊言語は風、玉、飛です」


よし、初めての魔法だ。失敗しないように気をつけてっと。


『風、玉、飛』


俺が詠唱をすると、手の前に風を感じる様になった。たぶん風のボール系魔法。ウィンドボールが完成したのだろう。どう打ち出すのか考えていると。


「前に飛んで行くイメージをすれば飛んで行きます」


アデーレが助け船を出してくれた。建物やアデーレに当てる訳にはいかないので地面に当たる様に打ち出す。地面から砂埃がたったので、多分あたったのだろう。…分かりづらいな風魔法。


「成功したようですね」


拍手をしながら近づいてくるアデーレ。俺は初めて使った魔法に微妙な感想を抱きながら「ありがとう」と返した。


「そろそろパーティーの時間ですので行きますよ」


暫くウィンドボールを練習していると、アデーレから声がかかった。そういえば今日になったんだっけか。


「奥様ももうお戻りになっています」


俺はその言葉を聞いて、急いで準備しだした。母さんはどうやらこの町にある城で働いているらしく、滅多に帰って来ないのだ。


☆★☆★


「遅いぞ、アーロン」


「まぁまぁ、今日はアーロン君の誕生日な訳ですし」


「久しぶりね」


両親とクレマンさんは落ち着いた対応だ。


「誕生日おめでとう!これでアーロンも魔法を使えるのか!」


「風属性…私たちとは違う属性ね。一緒じゃなくて残念だけど、そっちの方が面白いわね」


兄貴はあいかわらずのハイテンション、姉さんは一見落ち着いている様に見えるが、足をうずうずさせていた。

その反応に苦笑しながら席に着く。


「では、アーロンの魔力解放を祝って乾杯」


「乾杯!」


その日は、夜遅くまでパーティーをした。兄貴から聞いたが、プレゼントは朝にこっそり部屋に置いて置くんだとか。

夜遅くまで起きていたかったのだが、パーティーの途中で眠ってしまった。まだ5歳になりたてだから遅くまで起きていられなかったのだ。

悔しい思いをしながら明日起きるのを想像しながら、俺は眠りに落ちた。

これからも週1程度の更新ですが、こんな小説でよかったら見てやって下さい。

ではでは

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