中学生になっておしめなんて 3.結局、病院で
昭和の中頃、子どもの頃の家庭医療、お浣腸の思い出について
小さな街の外れにある病院に着きました。この地域に2つ3つある病院の中では臨時の入院設備もある比較的大きめの病院です。それでも女先生とそのお父さんの男先生、それと偶に臨時の先生といつもの中年の婦長さん、それより若い看護婦さん数人が働く小さな病院です。駐車場に停められた車から降りて、言われた通り職員の方が利用する裏手の通用口から入ります。中に入ると薄暗く左右に検査室がある廊下を通って、それより少し明るい待合室に入ります。すると会計をしている親娘が目に留まります。知り合いでなければいいなと、その瞬間に自分の格好から顔をあげられず伏し目がちになっています。その脇の受付台にある診察入れに、ねえやが診察券を入れてくれました。その間もその親娘は窓口で何か話をしています。どうやら明日も来るように言われているのでしょうか、娘が来たくないとばかりに、むずがっている様です。椅子に座りながら待つと、ようやく話が終わり、その娘が帰るのか一度玄関に向かい、来るときは表から入って来たのかそこから靴を持ってこちらに向かってきました。帰りのため裏口に向かう間、兎に角、目が合わないように顔を俯かせます。足音が目の前を過ぎると、ちょっとだけ顔をあげその娘の後姿を目で追います。その時、
「お母さん、早く」
と、後ろを振り返りました。一瞬でしたので、きっと気が付かなかったと思いますが、とても髪の短い女の子がいるなとそんな程度に思ったでしょうか。急いで目をまた伏せますが、その女の子は、その容姿と声から、
(ああっ、もとみちゃんだ!!)
と、直ぐに気が付きました。
(早く、帰って!早く時間が過ぎて!)
そんな言葉が、心の中に浮かびます。
このまま今の自分の格好、ピンクのカーディガンにプリーツスカートなんて見られたら死んじゃいます。待合室の電気も薄暗く、もとみちゃんの居る廊下はもっと暗く、幸いにして気が付かなかったみたいです。それにそんな姿で幼馴染がいるとは想像もできないでしょうし、心配するほどのものでもないかなと思っていると、診察室から中に入る様に呼ばれました。中に入ると待っていたのは、年配の男先生ではなく、娘の女先生です。と言っても年齢は母親と同じ、40歳前後のように見えます。それと小さい時からいるやっぱり同じ年齢位の婦長の看護婦さんが一人、いました。
「今日はどうしたの?お母さんから電話あったのでびっくりしたわよ」
どうしたも、こうしたもないです。
「お腹が…」
「その話、聞いたわよ。長い事、便秘していたんでしょ」
一緒に付いてきたねえやが、
「お腹痛いと言い出して、聞いたら3日か4日出ていなくて、本人も大分、気張ったみたいで、見たら肛門が開いて便が出かかっているところでした」
「もう大きくなったから治ったかなと思ったけど、相変わらずお母さんと似て、便秘症ね。それで、それは取れたの?」
「大分カチカチでしたが、家のばあやが、ほじってつまり物は取ったので、大方、肛門は閉じました」
「摘便もしたのね。それじゃ大分堅そうね、それで、浣腸もしたのですね」
「はい」
「便は出たの?」
「それが、液だけ出た感じでさっぱり」
「我慢できなかった?」
「我慢できないと言うより、漏れちゃった感じです」
「そう、便は出てないのね。まず診て見ましょう。あら、スカート、履いているの?」
僕は恥ずかしくて顔があげられません。
「おしめ、しているので」
全て、ねえやが答えてくれています。
「それでスカートね。ズボン履けないものね。じゃあ、おしめも取っちゃいましょうか」
看護婦に促されて、スカートを取って、カバーのまま診察台に横になります。そのまま、腰紐を緩められて、先ほど嵌めたばかりのスナップをプチプチプチと取られています。
「触診するので、寝ながら気を付けして」
と看護婦さんに言われます。聴診器も当てられ、触診を受けます。
「大分張っているね。腸も動いてない。苦しいでしょう。脚も上げて」
看護婦さんに指示出すと、股の方から、
「あらら、肛門開きかかっているわね。これじゃ漏れちゃうでしょ。もう1回やり直しね。その前にレントゲン取りましょう。便が詰まっているのは間違いないけど。看護婦さん、レントゲン室に連れて行って、終わったら、処置室で摘便ね。お姉さんは待合で待っていてくださいね」
看護婦さんに促されて、
「レントゲン撮りましょうね。もう誰もいないのでそのまま行きましょう」
下半身裸のまま他に待合がいない待合室に出て、ねえやと一瞬目が合いますが、すぐに看護婦さんの後に付いて奥のレントゲン室に向かいます。
「上も取っちゃおうか。ここに寝てくれる。腹部と胸部の写真撮りますから」
冷たいビニールの診察台に結局、全身裸で寝ています。
「はい、このまま動かないでね」
看護婦さんが操作室に行くのに入って来た部屋のドアを開けて出て行きます。一瞬、ドアが開いて閉まる瞬間、恐怖の文字を見てしまいました。もう中学生なので難しい感じも読めます。
【処置室兼灌腸室】
そう書いてありました。前にも何回か入った部屋です。
「もう、終わりましたよ」
服を着て良いですかって聞こうとしましたが、止めることにしました。ここにある服はシャツだけです。それでいて下半身裸。上だけ着て下が裸なのはなんか変態に思えて、どうせ他に人がいないならいいかと言う感じ着るのを止めました。ハイソックスだけというのも変なのでこれも脱いで全裸です。
「このあと摘便しますので、じゃあ向かい処置室に行ってくれますか。すぐ行きますから」
この看護婦さんに促されて処置室に通され、本人は別の部屋に行きました。昔のレントゲンは撮影後、暗室にある半自動現像機で現像して少し時間がかかり、自動現像機正面のシャウカステンで確認するという時間が必要でした。本当はレントゲン技師に任せる所、時間も時間で技師さんもおらずこの時代は緩いので、この看護婦さんが現像したのでしょうか。待っている間に籠に脱いだものを入れて2つある診察台に片方に座りながら周辺を眺めています。前に来たときはずいぶん前で、患者さんも沢山いて眺める余裕などありませんせんでしたが、今日は不思議と余裕があったりします。この処置室にはお便所や浴室と同じ様な感じで床がタイル張りでこのため入口で木製のサンダルに履き替えます。何で床がタイルなのかな?と考えていると、入口に灌腸室と書かれていることを思い出しました。灌腸とは浣腸の事。この病院は戦前からあると聞いているので、漢字も戦前の旧字体を使っているのかなと思います。タイルなのはそう言う排便で床が汚れても洗えるようになのでしょうか。この診察台もゴム引きのシートが枕とは反対に重ねてあります。きっとそう言うことに使うためだと今になって理解出ます。そうなると浣腸用具があるのかどうか気になります。殺風景な自宅の自部屋と変わらないあまり大きくない部屋に、点滴台と簡易カーテンが診察台2つと対になる様に置かれている以外は、ガラスの棚が1個あるだけです。中を覗くとやっぱりありました。ガラス浣腸器が数本。ガーゼにくるまれているので何cc用かはっきり分かりませんが、30か50㏄くらいのもかもしれません。太い1000ccと書かれたものとそれより細い500㏄と書かれた2本のガラス製のイルリガートルも横たえられています。膿盆と一緒に太さの違う棒(プジーと言うらしい)や金属のハサミの様なもの(鉗子というものらしい)、それに橙の管、先端が蛇腹になっていて反対が二股でポンプになったような突起物のある管(ビッカー氏カテーテルと言うらしい)があります。中段には脱脂綿やガーゼと一緒に石鹸と書かれた固形物か粉末か分からない袋、それとグリセリンと書かれた瓶が数本、マグネシウムと書かれた缶、ドナンと書かれた瓶もあります。上段には、まだ新品と思われる浣腸器や管などの箱が並べてありました。
奥まったところには左右の壁にドアが2つ、それぞれには準備室と便所と書かれています。奥には窓があって流し台があります。その流しには、よく見る注射器を入れておく煮沸器、窓には太さが様々なゴムの管が掛けられています。1リットル入るビーカーに溶剤が入れられてシャーレが反対にされて丁度ビーカーの上に載せられて、太字のペンで「浣腸用」と書かれています。それに消毒済と書かれたケースにガラス浣腸器も2本ほど入っています。それと、流しにある使用済と書かれた桶には50㏄の目盛が書かれたガラス浣腸器が入っています。
(あっ)
心の中で小さな叫びがでました。慌てて、反対側の診察台を見ると、整理されていましたが明らかに使用した後です。毛布が置てあったので手で触ると何となく温かい、
(ひょっとするとさっきの女の子、もとみちゃん?)
と、網膜に映った光景と思念が結び付きました。廊下から誰か来る足音が聞こえて、慌てて診察台に戻ります。
何やらワゴンを押して部屋に入ってきました。下段には診察室で脱いだスカート、おしめとカバーが畳んで置かれて、排便用に使う琺瑯のおまるが載せてあります。それに白い制服の上は先ほどと違いゴム引きのエプロンと手術室で見るような布製のマスクをしています。看護師さんの格好や運んできた道具を見てドキリとします。
「お待たせしました。レントゲンも出ました。いま先生もいらっしゃるけど、これ重症ね」
「おかんちょう、おかんちょうするんですか?」
看護婦さんが運んできたものやこの部屋の道具から、容易に想像がつく処置です。それでも、言葉で確認せずにはいられません。
「そうよ、だって重症だからね。その前に摘便しなさいって、今お姉さんにも先生が説明しているわよ」
そう言っている間にも、看護婦さんは流し場に足を進めて、何やら用意を始めました。
「ええ、いやだ」
「いやだって言ったって、だめよ」
もうそれしかないことは分かっているけど…分かっているけど、何とかならないかと懇願しようとしたら、
「病院では何でもないことよ。お家で出なかったでしょ、お便。だから出さないとね」
そう言い終わると、振り向いて膿盆を持って来ます。その上には、しっかり根元まで内筒が引かれたガラス浣腸器が2本、ゴムの管、脱脂綿、ワセリン、先に蛇腹、根元にポンプの様な物が付いた管、肛門鏡などが載せられています。
丁度そこに先生とねえやが入ってきました。婦長さんが、
「先生、用意できました」
女先生がうんと頷くと、早速説明を始めます。
「これ分る?」
シャウカステンがこの部屋に無いので、白い蛍光灯にかざして説明をしてくれます。
「ここの影、いい?全部お便よ。こんなに溜めて。4日どころでは無いはずよ。本当は何日?ちゃんと言わないとちゃんとした処置できないわよ」
「坊ちゃん、本当なの?正直におっしゃいなさいな」
ねえやにも急き立てられて、追い詰められて、本当のことを話し始めます。
「6日位…1週間か、もうちょっと…」
「でしょ。そうじゃないとこんなにならないもの」
「…」
これで浣腸宣言が下ります。
「婦長、摘便してください。そのあと、グリ浣60㏄して、ビッカー氏使って、5分抑止して、そのあともう1本同量。今度はカテーテルで20㎝奥まで送ってください。さあ、お姉さんは待合室でお待ち下さいな」
2人が出て行き、また2人になりました。
「浣腸辛いかもしれないけどすぐ楽になるかね。その前に摘便しましょうね」
腰に薄い座布団を入れられてお尻がやや上を向きます。キュキュとゴム手袋をする音もします。
「痛み止めのお薬塗るから、少し気持ち悪いけど頑張ろうね」
お尻の周りに何やら軟膏を塗られて、少し感覚が無くなります。
「指入れるね。気持ち悪いけど頑張ろうね」
そう言われるとすぐに薬を塗っているとはいえ、ぬるっと何かが入ってくるのが分かりました。何回かその感覚が下半身から伝わってきたあとに、
「取れたとれた。大分とれたよ。ちょっと臭うけど見る?」
いいえと言おうとしたときには、便魂を入れた膿盆を見せられてしまいました。
「大きいでしょう。これだけ取れれば大丈夫ね」
それを聞いて診察台を降りようしたところ、
「ちょっと、なにしているの。まだよ、まだ」
まったくもうと言われて、今とは違い足を下ろしてもう一度仰向けに寝かされました。
「これから、お浣腸しますよ」
と、ガラス浣腸器を見せつけます。
「それとその前に、ちょっと辛いかもしれないけど、この管入れるから」
今まで見たこともないちょっとグロテスクな蛇腹の付いた管です。何か不安が顔に現れたのでしょうか、
「大丈夫よ。さっきの摘便より楽だから」
と、お尻にその蛇腹管を入れようとします。
「うう」
大きく肛門部が開いたかと思うと、思いのほか、つるっと中に入りました。
「ねえ、大丈夫でしょう。これからちょっと膨らますからね」
と言うなり、反対の二股に分かれた間の先にある黒い膨らみを1度、2度握ります。そのたびお尻が膨らみ、
「ううう」
と思わず声が出ます。入れた感を引っ張ってもいます。
「抜けないね、ちょっときついね。でも大丈夫だから」
もう一度、管が抜けないのを確認してから反対に浣腸器を付けます。
「いい、5分間我慢するのよ。そうすれば、お腹の中、半分くらい楽になるから。5分よ、それまでは出したくても出せないから、頑張ろうね」
本当に大変なのはこれからです。だって、本当に自分の力では排便ができないのですもの、
「じゃあ入れるね」
50㏄の浣腸器の目盛を越えて入っています。でも60㏄なのでいれた量はそれほどでもないので、直ぐに薬が腸内に入れられて今は浣腸器が管から外されて、管路を伝わって液が漏れない様に鉗子が付けられました。
「5分我慢よ。すぐだからね。寝ながら気を付けして。そうそう」
胴体と上腕部、それに足の2か所を革のベルトで止めてしまいました。
「我慢している間、診察台から落ちると大変だから、ベルトをするね」
それは本当の事であり、ちょっと嘘も入っています。落ちないようにすることはその通りですが、なんで落ちそうになるかと言うと、患者が苦しくて暴れるためだと後で身をもって知りました。何が苦しいのか。それは浣腸で排便がしたいのに、排便が出来ないから、その苦しさはされたものでないと分からないことで、この婦長も若い頃、患者の気持ちを知る目的で先代の婦長から同じ体験をさせられました。その時も本当に便秘解消の目的はありましたが、浣腸による猛烈な便意があるのに、どんなことをしても、絶対に排便ができない、自分の意思があるのに排便できないと気がおかしくなるくらい苦しいとの事です。身をもって知っている。だからベルトをしたのです。
排液として出たとはいえ一度、浣腸をされています。それに便が詰まって、腹圧も高まっている状況で、出口を塞いでいた便も取り除かれた状況です。今2分しか経っていませんが、もうかなり便意が高まっています。もぞもぞと動きます。
「我慢できない」
看護婦さんは時計を見ています。
「やっと2分位ヨ、まだまだよ」
その間も便意が高まっています。
「我慢できないです」
「3分までもう少し、我慢しようね」
「ダメ、もう我慢できないです」
この頃には体を揺すって、何とか逃れようとしていますが、革ベルトで拘束されて、何もできません。
「我慢できないです!」
この頃には外に聞こえるくらい大絶叫してしまいました。声が聞こえたのでしょう、ねえやが立ち上がって浣腸室に向かって歩こうとした時、診察室から女先生が扉を開いて、それを制します。4分をやっと超えました。その頃には涙も出て、大絶叫になっています。
「苦しい浣腸になるとお伝えしたはずですよ。さあ、お席に戻って」
代りに女先生が浣腸室に入って行きます。肛門を見ると、バルーンがもうギリギリまで押し寄せて、よく見るとちょっと漏れてもいます。
「あとどのくらい?」
「4分過ぎです」
「おトイレは無理ね。あと30秒で開放して」
「寝たままで?」
「寝たままでいいわ。いい、もうじき排便できるから、頑張ろうね」
塞いだバルーンに繋がるコックのバルブを緩めています。
「できるだけ尿瓶を肛門部に当てて、こぼさないように受け止めて」
「はい先生」
と尿瓶を渡された尿瓶を受け取ります。今にも噴火しそうなくらい肛門部が盛り上がっています。
「まだよ」
「はあぁ、まだっ?」
「いいわよ、取るわよ」
と言うと同時に尿瓶を肛門部に強く当て、同時に排便が始まります。
「今度はしっかり出いてる。出いてるわよ。いいわよ」
婦長が声を掛けます。それを見ていた女先生も、
「便意が落ち着いたら、お便所かオマルで座らせて排便させて。そのあともう一度浣腸して。今度はカテーテル使って奥から入れてからね」
女先生が婦長に指示をしてから、部屋を出て行きねえやに説明するようです。
寝ての排便から、オマルに続けて残りの排便をしました。もうお腹の渋みが無くなりましたところで、防水のレザー張りの診察台にもう一度上げられました。この間、婦長は2本目の用意を始めます。グリセリンの希釈した薬剤は作り置きのものがまだたんとあるので、そこからビーカーに移します。直腸に入れる橙色の管、15号を書かれたやや子供には太いカテーテルと鉗子をワセリン、脱脂綿と一緒に膿盆に載せます。
「もう出たから…」
婦長は何も聞こえない振りをして、ガラス浣腸器にグリセリンの溶剤を吸引します。腰の下に枕を入れられたままですが、今は足を下ろしており、頭には別の枕を入れて貰っているので、首を伸ばせば今、看護婦さんである婦長が何をしているのか一目瞭然です。すでに薬剤を入れ終わったガラス浣腸器を上に向けて空気を押し出しているところで、もう浣腸の用意が既に整ったことを意味します。
「看護婦さん、もう出たの、だから…」
「いいえ、出ていませんよ」
今度は返事を返してくれましたが、同時に肛門部に不快な感触が走りました。
「もう浣腸、やめて」
「あら、浣腸嫌なの?ここは病院よ、浣腸なんて誰でもされていますよ。大したことではないのよ。それに、まだお薬入れてないわよ」
そう言って、お構いなしに直腸の奥深く迄、これから浣腸器を繋ぐ管を入れています。
「さてよし」
「いいうんちしていますよ。今度は成功です。念のため、落ち着いたら2本目をします。お家の方は?」
「奥様からは、坊ちゃまを、明日土曜日ですし、ご指示に従いますのでこのまま入院させて様子見て下さいとの事です」
「そう、ならあとは私たちに任せて。今日は、着替えも大丈夫でしょう。幸いと言うか入院患者が他に居ないので病床は空いていますが、給食の配膳ができないので明日朝の食事は持参してください。内臓疾患とかではないので特に禁忌はないけど軽めな普通の食事でいいわ」
「はい、分りました。帰って、女将、いえ、奥様にそう伝えます。ではよろしくお願いします」
すぐに浣腸室に入ります。
「先生、1回目はこの通り、尿瓶とおまるになりますがしっかり採れています」
「そうね。これだけ入っていたってことね。そうしたら、今晩はもう1本掛けてから様子見ましょう。明日朝レントゲン撮って、降りてきているようならお薬しましょうか。悪いけど、今晩は当番お願いしますね。非番だったのに、ごめんね」
「いいえ、どうせ一人ですから、容易いです」
もうすでに、浣腸器が直腸管に繋がっていて何時でも、グリセリン溶剤を送り込めます。
「では、お願いね」
そう言って、今にも浣腸される寸前の男児児童を見て部屋を出て行きます。婦長は浣腸器を見ながら、
「はい、分かりました」
と返事をすると同時に、内筒を押し出します。
「んっん」
肛門部周辺にはもう便もなく、薬が入るのがすぐに感じとれ思わず声も出ますが、あっと言うまでしたので、何の抵抗もできません。
「今度は抑止しないから、しばらく我慢するのよ。そうしたら、このオマルにしていいからね。寝具の用意をしてくるから」
そう言うと部屋を出て行きますが、もう我慢できなくなったのか、婦長が出て行くとすぐにおまるに跨り排便をしてしまいました。
寝台を整えた婦長が、おしめを持って部屋に入ってきました。
「あら、あまり出ていないようね?1回目でもう出切ったのかしら、まぁいいわ、明日レントゲンもう1回撮ってみましょうね。そうしたらわかるから。今日は入院だから、これしましょうね」
目の前に、家からしてきたものとは違う柄のドビー織のおしめが十字に用意されました。病院で何回も使用されてきたのでしょうか、清潔なのですが生地の中央部が少し黄ばみかかっており、過去に使用された面影のあるおしめです。家でされたのとほぼ同じようにされましたが、病院ではかなり大きめの安全ピンで股布とお腹周りの布を止めてから、おしめカバーを当てられました。そして一番の違いは、おしめカバーの前当をされて分かったのですが、
「浣腸処置用」
と、前あて部分に油性ペンではっきりと書かれていることです。凄く恥ずかしいです。この恥ずかしさを隠すように布団を深くかぶり、今晩は床に就きました。




