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反転の翼  作者: 音色 まや
第1章 翼のない悪魔
7/35

7 楽しい生活、寒いけど。

落下して最下層に到着したニアは、死んで原型も止めてない圧死した死体の中から、ごそごそといろんな物を生活用品として、二日目の早朝から集め始めた。

寒かったので、服を失敬し、マフラーを回して何か城よりもリッチではないかと思い出した。

なにより、城には服がない。何か凡ミスした服しかない。

食べ物は実を食べている映像を思い出して食ってみた。食べ方は、黄色い実は炒め、赤い実は蒸し、青い実は茹で、緑の実は調味料にするため、細かく潰す。

とりあえず、鉱山が近いのか、活火山の、小さいのがあったのでそこから焼き石をとってきて、鉄板の上に黄色い実セットし、炒めると、塩らしくなった兵糧が出来上がった。

初めて実を一口食べてみると、黄色い実は水分量が多く熱々で、豚肉のような味さえした。

「おおおお美味しい。城にいた時はサラダとか食ってたのに、兵糧がこんなに美味しいのか!」


ニアは朝の支度を済ますと、一人で戦利品を持ってくる仕事に行ってくる。相手は死体だが。

「今日は茹でる大量の取れた青い実のために、竹づつから水を貯める作業だな。なんか、自分のキャリアにあった仕事をしているようで充実しているな。」

一人事を恥ずかしがらず、そんなことは頭にはいってなく、今日とて昨日の大雨で、霧ではなくちょっと降った雨粒に、心を燃やすニアである。


「よし!この底を補強したバケツで茹でてみよう!」

青い実の総数、26個。

お玉風でゴロゴロ動かしていくと、お湯はコロッケレベルの温度になり、火加減を間違えたニアは、自信なさそうに青い実の完成形を手で割って食べることにした。

「うん、意外といける。」

とにかく甘い。青い実は茹でると甘くなるのだ。

「たくさん作ったはいいけど、どうやって保存するんだ?というか、腐るよね、絶対。」

ニアは甘いので、青い実をコンポートすると、次は赤い実だが、最下層で活火山により、温泉になっている所に、丈夫な袋に入れて、五時間待った。

今度は上手く出来た。

ホクホクしてじゃがいもっぽい。

緑の実は擂り潰す方法を発案するまで、2ヶ月かかった。

加工の方法によって、緑の実は味が変わるのだ。

それにしても寒いが、凍死するぐらい寒くないので、ニアは城よりも気に入ってしまった。

群雄割拠の戦国時代なので、死体なんてどっかに転がってるもんだし、悪魔が貧しかったりするのは普通である。





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